久し振りのピアノコンサート
サントリーホールへ
辻井伸行さんのピアノコンサートです。
ピアノの上の大スクリーンに、印象派の絵画映像を映しながらピアノ演奏を楽しむという『音楽×絵画』のコラボレーション!
ドビュッシーのアラベスク、月の光。
ラヴェルの亡き王女のためのパヴァーヌ。
私の大好きな曲ばかりが、ルノワールやモネ、ゴッホ、そして葛飾北斎の絵と共に奏でられます。
辻井さんのタッチが繊細で、その表現力の深さに心震えます
また、この写真でお分かりになると思いますが、照明効果というのも大きく影響しています。
ピアノの音色に感じる色気が増幅されるんですよね。
このような感動経験に触れ、
「ああ、私のクリニックもハイテク音響にして、照明を変えて、スクリーンに映像を映し出し・・・」
などど妄想しながら、もっともっと自分の仕事を高めたいわっと思った次第でございます。
私は実に単純で、いいと感じた物事に対してすぐに影響を受ける方なのですが、それがやる気に原動力になっているのは事実です。
音楽を聴いても、宝塚を観ても、人の話を聴いても、本を読んでも、涙が出るほど感動して胸が熱くなります。
子供たちにも、「お母さんってすぐに影響されるよね~」と言われます。
いいんです、良い影響ですから
いくつになっても感動できる心を持ち続け、
仕事も人間関係も深められる人生を送りたいと思った秋の夜でした
日本の歴史、特に古代~奈良時代に魅力を感じています。
20代の頃から日経新聞を読むのが日課でして、
文化面に連載小説がありますが、
今ちょうど『ふりさけ見れば』(阿部龍太郎作)を毎朝の紅茶と共に楽しんでおります。
遣唐使として唐に渡り、玄宗皇帝に取り入れられ、日本への帰国が叶わず一生を唐で終えた阿倍仲麻呂が主人公です。
阿倍仲麻呂といえば、百人一首にある「天の原振りさけ見れば春日なる三笠の山に出でし月かも」で有名ですね
西暦700年代が舞台。日本は天皇を中心とした新しい律令国家を作るために、古事記や日本書紀が編纂された頃のお話です。
物語の詳細は省略しますが、
今朝驚いたことは、昔の人の時の流れる感覚と距離感です。
日本からの使者は、海に近い❛蘇州❜という場所にいて、
皇帝に対面するために❛洛陽❜という内陸の都市に行くことになりました。
中国大陸は広いので、一体どのくらいの距離を移動するのだろうか?とgoogleで調べたところ、
937.1㎞、現代の車移動で9時間35分かかるそうです
(ちなみに、東京⇔福岡の距離は1072.2km、車移動で13時間2分です。)
この移動をするために、2月10日に蘇州を出発し、3月15日前後に洛陽に着く予定だと書かれています。
そして4月1日に皇帝に謁見するとか。
移動に1か月以上ですよ・・・
移動は馬に乗るのか歩くのか知りませんが、起きている時間の大半を移動に費やし、その時間は一体何を考え、どんな景色を観て、皆と何を話していたのでしょうか?? 移動中、体が辛いとか、お腹が空いたとか、あの娘可愛いなとか、何を感じていたのでしょうか??? どんな宿に宿泊し、何を食べていたのでしょうか。山賊に襲われる危険はなかったのでしょうか。
昔と今を比較すること自体ナンセンスかもしれませんが、生活様式があまりに違いすぎることに、違和感を感じずにはいられません。
中国から仏教など学んできたエリート日本人が残した書物、経典、仏像、美術品、建築などは、1000年以上経っても輝きを放っています。
私など一生かかって何を残せるのかと、己の生きてきた道のりが驚くほど軽薄なことに嫌でも気づかされてしまいます。
先日、学会帰りに奈良を再訪した時、遣唐使船の実物大のレプリカを見ました。
「こんな木の船で、荒波を乗り越え大陸に渡ったの?」というような小さい船でした。
日本という国家の基礎を築くために、命がけで大陸を目指したエリートたち。
江戸末期に渋沢栄一や薩摩・長州の武士たちが欧米諸国へ学びに行きましたが、それより1000年以上前のことですから、遣唐使の方々には本当に頭が下がります。
物質的な豊かさは満たされた今、我々は何を求め、何を学びに、どこに行くべきなのでしょうか。
そのような哲学的な問いを立て、思考する時間を得るためにも、1か月くらい歩いて移動する時間は貴重なのかもしれませんね。
奈良を観光する時、ついつい効率よく巡ろうなどと欲が出てしまい、観光タクシーを利用してしまうのですが、
先日患者さんから、
「先生、奈良は是非歩いて回ってくださいね。」とアドバイスを受けました
そうですよね、時短のために使うテクノロジーが、どれだけ地球に負荷をかけ環境破壊につながるのか猛省
賢者は歴史に学ぶ、ですね。
秋は学会シーズンです
昨年はコロナの影響で、対面の学会はことごとく中止になりましたが、今年はボチボチ再開です。
9月30日~10月1日の2日間、大阪で日本美容外科学会が開催されました。
9時スタートですので、始発の新幹線でLet’s go
オンラインなしの100%対面学会です。
想像以上にたくさんの先生方が参加され、会場は以前のように賑わいを取り戻しましたが、当然懇親会や飲み会のようなものは全て中止です
1999年に初めてこの美容外科学会に参加して以来、毎年参加しています。
20年以上経ち、すっかり世代交代した印象を受けますが、第一線で活躍されている先生方のお話を聴ける貴重な会合だと思い、毎年楽しみにしています。最近、若い先生たちが非常に熱心に美容医療に取り組む姿に触れ、この業界が正しく発展することを願ってやみません。
美容外科の学会なのですが、近年はノンサージカルな美容医療が幅を利かせていますので、レーザーや注入治療など侵襲性の低い治療の話題も含まれています。
最近はインスタなどSNSやメディアの影響で、
「HIFU(高密度焦点式超音波)ってどうですか?」
「ダーマペンって効果ありますか?」
「スレッドリフトってどうなんでしょうか?」
のように、治療名について質問を受けることが多くなりました。
はっきり申し上げます
この治療がベスト!
・・・なんてものはありません
一方、この治療は最悪!!
・・・っていうのもほとんどないのです
それぞれの治療特性をよく理解した医師が、
患者さんの顔状態を的確に評価し、
患者さんの性格と希望を加味して、
適切な治療を提案し施術することで、
患者さんに満足していただけることが、
美容医療の成功だと考えます。
今、HIFUというたるみ治療の名前だけが独り歩きしていますが、
「HIFU最高引き締まって効果抜群!」
という人もいれば、
「HIFUで酷い目にあった。もう二度と受けたくない」
とご立腹の方もいらっしゃいます。
痛みや術後の腫れが酷かったようです。
私も過去に3度ほど受けたことがあります。
先日受けたHIFUは、皮下組織が60~70℃という高温に熱せられることで激しく熱損傷を受け、顔面の痛みが10日ほど続きました。
頭頂部のピリピリとした神経痛も続きました。これらはもちろん一過性で回復するものです。
また、首筋の筋膜が拘縮を起こしてカチコチに硬くなってしまいました
1か月以上経ちますが、少し柔らかくなってきたものの、まだ硬い筋状に変性しています。
その割には「???」という効果でして(※個人の感想です)
一緒に受けたスタッフは、フェイスラインの引き締まりや肌状態が良くなり、とても効果を感じているそうです。(※個人の感想です)
この治療は術者の腕がかなり影響する治療だと再確認した次第でございます
また、HIFUというのは治療方法であり、機種はいくつかのメーカーが販売しています。
機種による効果の違いというのも考えられます。治療費もピンキリですよね。
よって、HIFUに精通した医師が、患者さんの顔状態を正確に評価し治療するのであれば有効だと思いますが、
不慣れな医師がブームに便乗して、深く考えず安易に治療を行えば、それなりの効果しか出ないでしょうし、トラブルを引き起こすことも十分考えられます。
美容医療業界において、「この治療が一番」というものは存在しません。
大切なことは、医師のお見立てと治療技術に尽きます。
私の得意とする治療は、穏やかに緩やかに、治療効果を積み上げていく方式です。
一発逆転を狙うようなハイリスクな治療はせず、
じわりじわりと攻めていきます。
それでも月1回レーザーを当て、
年2~3回ボトックスを受け、
年1回のヒアルロン酸を続けていただければ、
老化がストレスにならないお顔を実現することができます。
美容医療は欲を出して攻めすぎると、「いじった」不自然さが出てしまいます。
そこの一線を超えないようにすることが何より大切だと肝に銘じています。
もちろんもっともっと良い状態にしたいから、医師も頑張るのですが、美容医療にも出来る限界があります。
例えば、50歳過ぎているのに、目元の小じわを全て無くすなんて無茶なんですよ。
出来ないことは出来ませんと断る勇気も大切です。
私たちは美容医療のプロですから、
1人ひとりの患者さんに合わせた治療をご提案することが使命だと心得ています。
ネット情報頼りの患者さんが治療を選択するのは自由ですが、
それの言いなりになるようでは、我々医療従事者の価値が低下すると思います。
「先生にお任せします」と一任されることが、医者冥利に尽きます
スタッフ教育に力を入れ、プロフェッショナルチームでいられるよう自己研鑽を続けようと、改めて思いなおした大阪での学会でした。
以上の理由で、当院では流行りのHIFUを今のところ導入していませんが、HIFUに負けない引き締め治療を提供することができますので、ご興味のある方はお尋ねくださいませ。
70代の母の肌がだいぶ古ぼけて、美容皮膚科医の母親としてあるまじき状態でした。
これはいけない・・・何とかせねば
疲れた老女に、レーザーとボトックスでお肌のメンテナンスを3か月ほど続けました。
別々に暮らしているので、月1~2回程度しか会いませんが、先週会ったときには、肌ツヤが回復。
マンマミーア
元気そうに見えました
母「最近肌の調子が良くてねぇ。全然乾燥しないのよ。洗顔後もつっぱらないし。」
私「それは良かった、レーザーの効果でしょ。ボトックスで変なシワも伸びてますよ。」
母「レーザー様様だわね。おかげで化粧品要らずだから本当に助かるわ。」
私「うち(当院)に通っている患者さんたちも、お肌つやつやだよ。美容医療の効果はすごいんだから。」
母「お化粧品のゴミも出ないし、持続可能な素晴らしいスキンケアね、レーザーは。みんなルンルンだわね。」
私「そうなのよ。」
久し振りにレーザーケアをしたことで、驚きの復活肌
まさに『お肌のすす払い』
メラニン色素を除去するので、シミ・くすみが薄くなり、肌がワントーン明るくなります。
コラーゲンが増えるので、お肌にハリもでます。
肌の調子が良くなると、気持ちもグンと明るくなります。
自分がキレイになって気持ちよく過ごせれば、周りの人も明るい気持ちになるはずです。
美容医療は女性にとって、まさにWell-beingのカギになるに違いありません。
私の志と覚悟は、
「お肌に健康と美をもたらすことで、人々のWell-beingに貢献する」
ではないかと確信した次第でございます
肌の悩みは実に奥深く、肌ルネを提唱する私のもとに全国(海外からも!)から問い合わせがあり、受診して下さることを思うと、実に身の引き締まる思いです。
洗顔方法や保湿剤の塗り方を確認するために、当院を受診されるのです。
新幹線や飛行機で、日帰りで通って下さる方もいらっしゃいます。
1人ひとりに合わせたスキンケアを分かりやすくお伝えし、実践してもらいます。
納得していただければレーザーなど医療も行います。
ゆっくりですが確実に肌状態は改善していくものです。
若い頃は「肌質改善」という漠然としたフレーズに苛立ちを感じていたものですが、
図らずも美容の仕事に携わることになり、
たくさんの「肌質改善」症例を目の当たりにしてきたことで、
この言葉は嘘ではなかったのだと確信するようになりました。
(もちろん、毛穴の目立つ脂性肌が、毛穴レスのシルク肌になることはありません)
驚くほどキレイに変化するものです。
「肌質改善」を成功させるコツは、
① 信頼できるクリニックに通うこと。
② 1年以上腰を据えて取り組むこと。人によっては2年かかることもあり。
③ アドバイスを素直に聴ける心を持つこと。
さあ、お肌のすす払いをして、Well-beingになりましょう!
今、熱中していることはありますか?
コロナ禍では、対面のセミナーや勉強会がすっかり減ってしまいました
しかし、オンライン開催がどんどん増えていますね
日経新聞には、毎日たくさんのセミナー情報が載っています。
私は、これから白金ビューティフルエイジングクリニックをどのようにしていくか?というビジョンについて、深く考えることに熱中しています。
解決の糸口を探るべく、8月から「Well-being組織の作り方」というオンラインセミナーに参加しています。
最近話題の「Well-being」ですが、「良好な状態でいること」という意味です。
※SDGsやESGなど、何かとアルファベットが多いことにいやらしさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
我々一人ひとりがWell-beingでいられれば、仕事の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%上がり、欠勤率と離職率は下がるという研究があります。いかにWell-beingを高めることに心血を注ぐかが、良い組織を作る上でのキーになると言うわけです。
約40人が参加していますが、経営者もいれば、企業で人事の仕事をしている人もいますし、コーチングやコンサルタント、平社員一兵卒でも職場の雰囲気を良くしたいという強い思いを持っている人もいます。
共通して言えることは、「職場を良い雰囲気にしたい」という思いが人一倍強い人たちであること。
ディスカッションや質問など発言も積極的で、会ったこともない人たちとオンラインディスカッションを続けていますが、その時間が実に心地よく、オンラインミーティングの有効性に驚愕しています。
目的がハッキリしている人たちとのディスカッションは有意義で、小気味よいものです。
私は、何のために働いているのでしょうか・・・
この先、クリニックをどのような方向に導いていけば良いのか・・・
30代は自分のクリニックを開業することが目標で、その準備に夢中でした。医療行為として、一人で責任を持って診療できるような技術を身に付けなければなりません。経営、人事、労務、経理、マーケティング(文字にするとカッコいいですが、実際はもっと泥臭い作業です)などは、開業してから必要に迫られて学びました。
40代はクリニックを成長させることに夢中でした。美容医療は次々と新しい治療が発表され、手技も日進月歩です。新しい治療を学び、習得し、臨床で実践してみます。有難いことに患者数も順調に増え、クリニックも拡張し、スタッフのお給料も上げることができ、社員旅行に出かけ、研修合宿も開催し、それらすべてが幸せな経験でした。
化粧品をやめるためのノウハウをまとめたウェブサイト『肌ルネ』の制作も一大事業でした。公開して1年以上経ちますが、おかげ様で、毎日少しずつ会員登録数が増え、化粧品をやめたいと願う人たちのお役に立てているような気がします。問い合わせもひっきりなしで、日々スタッフが対応に追われています。
そして今、スタッフは立派に成長し、運営も安定してきたところで高原社会のような平和を感じる一方、このようなぬるま湯につかっていては衰退してしまいそうだという危機感は常に隣り合わせです。栄枯盛衰、諸行無常ですから
平和のままでは物足りなさを感じてしまうのは、どうしてなのでしょうか。新しいことにチャレンジして高みを目指さないと生き残れないような気がするのは、生存本能なのでしょうか。いや、成長意欲なのだと思います。
次なる新しい課題を見つけては取り組むことの繰り返しです。
今現在、私の課題は、Well-being組織を作るための“キー”を考えること。
お散歩中も、トイレの中でも、入浴中も、食器を洗いながらも、深夜パソコンに向かいながらも、考え・考え・考えまくってようやく決まりました
【しあわせメンテナンス】です。
し:志と覚悟
あ:愛と感謝
わ:和を以て貴しとなす
せ:成長と成功
メンテナンス:“しあわせ”の定期的な確認作業
お肌のお手入れもメンテナンスが重要ですが、
人の心も定期的にメンテナンスしないと、日々の業務に忙殺されて、大切にしなければならない思いがなおざりになってしまいます。
すべての仕事は【しあわせメンテナンス】という土台の上にあるということを、スタッフ全員と共有し、東京白金にしかないオンリーワンのクリニックであり続けたいと思います!