医療法人社団晴栄会
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眼瞼下垂の点眼薬

40歳を過ぎてから、2年毎に胃・大腸内視鏡検査を受けています。

父が大腸ガンの手術を受けた時、消化器外科の担当医師から、「40歳過ぎたら、大腸内視鏡検査を受けたほうが良い」とアドバイスを受けました。ちゃんと従っております

今年はポリープが3つ見つかり、切除しました。トホホ・・・

顔にシミや老人性イボが出来るように、腸内にも加齢変化が見られるのですね。

見えない部分だからこそ、気を付けたいものです。

 

さて、本題に入りましょう。

皆さま、「アップニークミニ点眼薬」、ご存じですか?

眼瞼下垂の点眼治療薬です

まぶたを持ち上げる“ミュラー筋”に作用して、筋肉を収縮させ、目を開きやすくする薬です。

眼瞼下垂の治療は手術一択と教わった旧石器時代の私には、「点眼薬で目が開く」なんて夢のような薬です。

今月発売されたばかりですが、すでに入手して使用してみた、という患者様にお会いしました。

シミ取り治療後の評価のために、VISIAという肌診断機器でお顔全体を撮影したところ、レーザー効果で皮膚は当然ハリが出て、シミも薄くなってきれいになっているのは理解できるのですが、目周りのシワ・たるみが劇的に改善しているではありませんか!!

ボトックスを打っていないのに、こんなに目周りがスッキリするかしら?というレベルです。

すると、「今朝、アップニークミニ点眼を差してきました。」と報告を受けました。

目はパッチリ開き、とにかく目の周りのたるみ改善が凄すぎます

これが点眼薬によるものなのか、レーザー治療の効果なのか、検証が必要です。

1回点眼すると5~15分後に効果が現れ、8時間ほど持続するとか。効果は一時的なので、魔法は溶けちゃいます。

お目目だけシンデレラ。テクマクマヤコン、テクマクマヤコン・・・

重篤な副作用はあまりないようですが、毎日使用してよいものか?長期間使用して大丈夫か?等については、まだ長期使用に関するデータがないので不明のようです。

特効薬ほど副作用も大きいものです。

単なる美容目的の利用は慎重でなければなりません。

こちら、保険適応外の自費診療です。

眼瞼下垂でお悩みだけれども、手術まではちょっと、、、という方には試してみる価値がありそうなお薬です。

 

 

 

 

 

美容医療と体調について

ゴールデンウイークで2週間空いてしまったジャズダンスレッスン。

4月はダメダメで、振付が身に入らず、ボケてしまったのかとすっかり自信を失っていました。

今夜は久しぶりに、全く復習もせず参加したのですが、私としてはまあまあ踊れて気分よく帰宅

体調が特に良い訳でもないのに、人間の身体って不思議です。

 

美容医療も、その日の体調によって影響を受けます。

例えば痛み。肌の状態が悪い時(乾燥、日焼けによるダメージ、寝不足など)や体調不良の時は、通常より痛みを強く感じます。痛みの左右差を訴える方もいらっしゃいます。

特に高齢者の方は、体調が良い時の治療をお薦めします。

痛みにより身体は消耗しますので、レーザーや注入による痛みで身体が疲労することもあります。

皮下出血やカサブタ形成、発疹や発赤などのストレスもかかります。

 

ところが、適度の痛みは効き目がありそうだ!と喜ぶ患者さんもいらっしゃいます。

麻酔なしで顔に注入治療をしてもピクリとも動かない方もいらっしゃいます。

何十か所も注射針を刺す治療をしているのに、眠ってしまう方もいるのです さすがに危険ですから起こしますけれど。

痛みの感じ方は個人差が大きく、同じことをしているのに、こんなにも反応が違うなんて不思議だなと思います。

 

なるべく痛みを減らして差し上げたいと思う一方、痛みというのは危険を察知する大切な役割もあります。

熱傷を起こすような強いエネルギーを加えると痛みを伴います。

注入治療では血管塞栓や神経損傷を防ぐ上で痛みは1つの目安となります。

 

強いストレスにならない程度の痛みに留めておくよう、痛みを数値化してもらいます。

10点満点中、6点くらいが適当でしょう。8~9点は痛すぎます。痛みスコアが低い分には問題ありません。

 

そして、皮膚の状態が良く、丈夫で健康な方は、レーザーを当てても注入治療をしても、赤みや腫れ・皮下出血など副作用が出にくいのです。リフトアップボトックスという、200か所以上注射する治療後でも、何事もなかったようにお帰りになります。

針は日本製で極細。とても滑らかに刺さりますので、肌への負担はぐっと減りました。

先月から使い始めた特注の拡大鏡(別名老眼鏡😎)で、皆さまの皮膚が驚くほど良く見えます。

また、注射時の手の感覚で、その方の皮膚の健康状態が分かるようになりました。

 

春は新緑ボトックス祭り開催中。

皆さまの皮膚が若返る喜びを、注入治療でお届けします💖

 

 

 

 

 

 

 

愛について考える

皆さま、ゴールデンウイークはいかがお過ごしでしたか?

私はカレンダー通りに診療を行っていましたので、4連休のGWでした。

犬を連れてちょっと遠出をしたり、親戚と集まったり、母の友人らから「母を偲ぶ会」にお誘いいただいたり、お休みを満喫できました。

母の日は、「共に過ごすことが大切」と、娘・息子が焼肉に誘ってくれました

息子の友人も一緒に和やかな食事会。

「モノより思い出」は我が家の家訓です。

優しい大人に成長してくれてありがとう

 

GWやお休みが多かったので、隙間時間で学びを続けていました。

「愛」について考えたことを記しておきます。

愛と聞いて、どのようなイメージを思い浮かべますか?

家族愛、隣人愛、愛社精神、ご愛顧、愛用品、愛犬・・・

愛の付く言葉はたくさんあります。

若い頃は、「恋と愛は違う」なんて歯が浮くような話を、友人らと話し合ったものです

当院の経営理念にも、「院長とスタッフと患者様は三位一体、愛と信頼関係で結ばれています」と書いてあります。

開院時に作成したこの一文ですが、20年前にどんな気持ちで『愛』を入れたのかよく覚えていませんが、ちょっと気恥しいく甘酸っぱい感覚を思い出します。

経営學を学び続けていますが、復習してたらノートに走り書きしていた愛の定義がありました。

自分を反省し、他人を理解すること=愛

愛は自分より相手を優先する思いやりです。

 

クリニックを経営は、決断に迫られるシーンの連続です。

新しい治療を始めるとき、患者様にお詫びしなければならないとき、季節ごとのイベント内容を考えるとき、価格を決めるとき、仕事のルールを決めるとき等々、院長の私が最終決定をします。振り返れば、スタッフ全員の意見を聴くという努力が足りず、比較的ワンマン経営だったことに気づきました。

そもそも開業した理由の1つとして、患者様のニーズに対して柔軟に対応したいという気持ちがありました。大企業にありがちなガチガチのルールに縛られず、トップダウンで決定できる素早さというのは大変魅力です。患者様のご希望に対して、出来る限りのことはやって差し上げたいという気持ちは間違いなく「愛」であると思います。前例のない事でも、私の判断で可能にしてしまうことができます。院長→患者様、スタッフ→患者様 の愛は実現しているでしょう。

 

では、院長⇔スタッフ間の愛はどうでしょうか。

毎月スタッフ一人ひとりと個人面談をしていますが、彼女たちの心の深い部分にまで理解が足りていないことに気が付きました。私の考えや思いを丁寧に説明する努力も足りていませんので、当然誤解が生じてしまいます。

様々な物事の決定は、患者様を思いやりながらも、ある意味私自身の「自我」がチラついていたのかもしれないと反省しています。自分自身の「こうしたい!」という思いや夢が強すぎて、スタッフの気持ちに共感し理解する努力が不足していました。愛が実践されていないではないですか

小さい頃から、自分自身というものを持ち、自分の意見を言える人にならなければならないと思い込んで育ちました。

しかし、今の私に足りていないのはことは、他人を理解すること、自分を抑えて人との調和を大切にすることだ、という思いに至りました。

これからは自己主張を抑えて、相手の立場で物事を考えるよう努めます。反省。

 

愛の実践は容易ではありません。

しかし、愛があれば争いはなくなります。

戦後、欧米から個人主義は入ってきてしまい、自己主張や権利の主張が正義になってしまったかのように思われますが、日本の精神には「和を以て貴しとなす」という根本があることを忘れないようにしたいものです。

 

 

 

 

 

 

ボトックスで明るい笑顔に

当院では、今年も新緑ボトックス祭り開催中です

私も昨日、ようやく自分の顔にボトックス注射をして、表情筋を整えました

 

皆さま、「表情筋の老化」についてご存じでしょうか。

体の筋肉をイメージしていただきたいのですが、50歳も過ぎて運動もストレッチもせず“自然”のままに放置してしまうと、筋肉は拘縮し、凝り固まってしまいますね。カチカチ、バリバリ・・・

お顔も同じです。加齢によって筋肉は拘縮していきます。筋肉そのものも細くなりジャーキーのようにボリュームが減ります。カサカサ、バサバサ・・・

眉間の縦ジワ、額のタコジワ、目尻のカラスの足跡、顎の梅干し、への字口など、筋肉の拘縮によって“自然”に放置すると不機嫌そうなお顔の完成です。

鏡に映る自分の顔は静止していますから、“自然”な動きに気付きません。

特に日本人は表情の動きが乏しく、気持ち良い笑顔が作れない人の多いこと

口だけ笑って目が笑っていないから怖い

鏡を見ながら、素敵な笑顔の練習をすることをおススメします。

表情のコントロールって、生きていく上でとても大切なスキルです。

人は老化すると、無意識に不機嫌そうな、不安そうな、怒っているような、疲れているような、とにかくあまり近寄りたくないような表情になりがちです。疲れていないのに「疲れているね」とか、怒っていないのに「怖そう」とか言われたこと、ありませんか?

それに対して、リラックスしてニコニコ笑顔な人には安心感を覚えます。

 

自然やナチュラルといった言葉に安心する人がいらっしゃいますが、自然に美しい人ってどのくらいいるのでしょうか?いつもご機嫌な笑顔でいられるためには、すべての物事に感謝し、足るを知り、調和を大切にできる心の美しい人でいられるよう、心の鍛錬が必要です。努力、努力、努力

体も自然には健康で良いスタイルを維持するのは難しいでしょう。食事だって節制しなければなりません。

表情筋も然り。

ボトックスで凝り固まった筋肉をストレッチさせ、明るい表情を作るお手伝いをさせていただきます。

ボトックスの効果は一時的ですので、半年もたてば元に戻って“自然”になります。

副作用も限定的ですし、私は過去26年間患者様に打ち続けていますが、大きなトラブルはございません。

私自身も20年間、自分の顔に打ち続けています。(それでこの程度か、、、これが私の実力です、スミマセン)

厚生労働省承認の医薬品ですし、世界で発売されてから30年以上の歴史があります。

百聞は一見に如かず。

新緑ボトックス祭り(4~6月)の期間中にお試しいただくと、嬉しい特典もございますのでお気軽にご相談下さいませ。

「笑顔に勝る佳人なし」←以前にもブログに書きましたが、私が中学生の頃、達筆な父親に書でたしなめられた内容です。

思春期の私は難しい顔をしていて、可愛くなかったのでしょう。

10代の自分を反省して、今は笑顔を心掛けています

 

2026.04.14

Deep River

この世の中には偶然というものはなく、必然なのではないかと思うことがある。

脳出血で倒れた母を残して、自分自身でも良く分からないけれど見つけたい・感じたい何かを求めてインドへ旅立った。

インドの不衛生さにより体調を崩し、光を見ることなく帰国したけれど、石に包まれた宝石を掴み取って来たようだ。

帰国後、日ごとにその覆われてた石が剥がれ落ち、どんどん輝いていくのが分かる。

 

一緒にインドを旅した仲間の一人から、「遠藤周作の『深い河』を読みました。とても良かったので是非読んでみて下さい。」とコメントがあった。

気になることはすぐにメモをするようにしている。

翌日、日経新聞の<名作コンシェルジュ>欄に、宇多田ヒカルさんの「DEEP RIVER」が紹介されていた。

なんとこのタイトル、遠藤周作の小説『深い河』に触発されたとのこと。

あれ!昨日聞いた本だ!

すぐにAmazonでポチり、翌日届く。

日本って素晴らしい国だ。

小説の内容は、登場人物がそれぞれの人生に刻み込まれている傷跡を背負って、その傷跡を残したものを探すためにインドガンジス河までの旅に出かける話。

私はガンジス河には行っていないが、まるで見たことのある光景のごとく、生々しくイメージできたのはインド旅行の直後だからだと思う。

人々の苦悩、宗教観、愛について深く考えることができる良書であった。

 

私も墓場まで持っていきたい経験はいくつかある。

それを封印してきたが、この本を読んで、無意識にその傷跡を思い出すことになった。

その傷跡に向き合うことで、何か新しい光は見えるのだろうか。

そんなことを考えている。

 

母、永眠。

3月29日、母が永眠しました。

昨日通夜、本日葬儀を無事終えることができました。

予約変更をお願いした患者様には大変ご迷惑をお掛けしましたが、一生に一度しか訪れない母の死という理由でご容赦いただきたいと思います。

 

命がけのインド旅行前、脳出血で倒れた母。

アミロイドアンギオパチーという、脳の毛細血管が破綻して脳出血を起こす病気を患うこと8年目。

予防も治療もなく、いつ再出血するか分からないというストレスを抱えて暮らしていました。

出血する度に後遺症が増え続け、母は相当苦労したと思います。

可哀そうでした。

私のインド帰国後、2月中旬には無事退院し、もともと居た老人ホームに戻ることができました。

全て介助なしでは生活できない状況でしたが、とろみ食を食べさせてあげれば完食できるくらいの気力はありました。

だたし、1回の食事に40分はかかりますので、ヘルパーさんの負担を考えて、ほとんど毎晩食事介助に通いました。

自宅⇔職場⇔老人ホーム

すべて10分程度で移動できる近距離トライアングルに集約していたので、仕事と介護を両立することができました。

約1か月間、診療が終わると急いで母の食事介助へGo

私にとっては至福の時間でした。

よく、「介護は大変ですね。」と言われますが、とんでもございません

親の世話をさせていただけることは幸せに他なりません。

診療以外の仕事を任せることができたのは、スタッフのお陰です。彼女たちには本当に感謝しています。

そして、施設のヘルパーさんたちには、お風呂や身支度、食事から排泄まで大変お世話になりました。

自宅ではとうてい出来ないことを担っていただけたことで、私も安心して日々の診療を続けることができました。

そして兄夫婦はお役所への各種手続きや、母の家の掃除などを担当してくれました。

東京を離れる時は、お互いタイミングをずらして協力し合いました。

このように、人は他人の力を借りて、お世話になって生きていることを謙虚に受け止め、感謝の気持ちを持ち続けたいと思います。

 

3月27日に主治医から危篤を告げられました。

28日には通常診療と、どうしてもやらなければならない用事があり、「お母さん、今日の夜まで頑張っていてね」と意識のない母に声を掛けてクリニックに向かいました。

そして夜に駆け付けた時には、ちゃんと息をして待っていてくれました

土曜日なので、心おきなく当直だ!と覚悟して、添い寝をしながら思い出話を語りかけていた丑三つ時。

母の呼吸は次第に弱くなり、脈も弱くゆっくりとなり、静かに息を引き取りました。

最期まで穏やかで気品のある母でした。

「お母さん、ありがとね

両親ともに、死に目に会うことが出来たのは、偶然ではなく必然なのだと思います。

 

通夜と葬儀には、母の中学・高校・大学時代のご友人にたくさんご参列していただきました。

沢山の友達に囲まれ、皆に愛されていた母でした。

いつも穏やかで品のある母。

見栄や虚栄心など一切なく、物事の本質を捉えることができる人でした。

シェークスピアを愛読し、人の心の機微を察する力がありました。

歴史や政治の話が好きでした。

お金には興味がなく、数字や損得勘定は苦手な人でした。

テニスが好きで、錦織圭のファンでした。

若い頃は沢田研二とケビンコスナーのファンで、部屋にカレンダーがありました。

尊敬する人は聖徳太子。

人生哲学は「真理の追究」

自分のことで忙しく、子供には干渉しない人でしたので、うるさいことを言われた記憶がありません。

40代の頃、よく夜遊びをしていたようですが、必ず終電に間に合うよう帰宅していました。私も自分のことで忙しかったので気にしていませんでした。

私の大学受験初日も、私より早くゴルフに出かけてしまったので、自分でおにぎりを握って受験会場に出かけました。

整理整頓が苦手な人で、引き出しの中はいつもぐちゃぐちゃでした。

おおらかな人でした。

私のクリニック運営にも、多大なる協力をしてくれました。

私は、このような母親の子供に生まれて本当に良かったと、今の自分があるのも母のお陰だと心の底から思います。

こちら、本日の満月「ピンクムーン」

ピンクが大好きだった母にふさわしい夜となりました。

 

お母さん、ありがとう。また来世で会いましょうね。

 

 

2026.03.22

知性と品格

当院の使命は「知性と品格ある大人のための美容クリニック」である。

20年前、開院当初に掲げたこの使命は、そういうクリニックを作りたいという情熱よりも、経営的な使命というものを明確に言語化しなければならない、という思いで考えたフレーズだった。自分でもよく考えたと思う。

勤務医時代、外来を訪れる患者様の中には、眩しいくらい素敵な女性との出会いがあった。私はまだ20代と若かったこともあり、40代以上の成熟した女性たちから大いに影響を受けた。プライベートでは知り合うことのないジャンルの人たちである。暮らしにゆとりがあるので優しい。仕事では責任のある立場で、精神的にも経済的にも自立している。優雅な専業主婦の方々は、家庭を大切にしながら自分の趣味を謳歌していた。彼女らにとっての美容は息を吸うのと同じくらい当たり前のことだから、美容クリニックがまだ珍しかった時代にも関わらず、お肌の手入れに余念がない。そして無理がない。センスの良い上質な衣服を身に纏い、佇まいや発する言葉の隅々まで美しい。生き方そのものが魅力的である。小娘のような主治医に対しても丁寧に接して下さった。私はこのような美しいマダムを相手に美容医療を提供していきたい、と思った。

自院患者のターゲット層を絞り込む時、「知性と品格」を備えた方々に来院して欲しいと考えた。今思えば「知性と品格」こそ、私自身に足りなかったものであり、最も身に付けたかった無形の価値である。自分とクリニックの使命が一致していたことに今頃気が付いた。気が付くことが出来たのは、インドに行ったお陰である。(詳細はまた今度)

私は小さい頃から活発な子供で、良くカラダを動かし遊んでいた。何でも出来るようになるのが嬉しくて、スキルや技術の習得に勤しんだ。テニス・ゴルフ・スキーなどスポーツはもちろんのこと、ピアノも続けた。受験勉強や英語学習にも励んだ。留学もした。そのような機会を与えてくれた両親には感謝している。しかし、根っ子の部分が山猿なのである。気性は荒く、話し言葉も強め、動きも雑だ。階段の上り下りや扉の開閉は音を立てず静かにと、いつも母親に注意されていた。いくら注意されても、山猿の勢いは止まらなかった。

一方、母はいつも上品だった。小さい頃から友達に、「麻ちゃんのお母さんは上品だね。」と言われ続けていた。褒められるのは嬉しかったが、自分も真似しようとはちっとも思わなかった。品が良いより、豪快でいろいろ出来たほうがいいじゃないか!くらいに考えていた。知り合いからは、「お母さまはあんなに上品なのに、なんであなたはこんなにバンカラの?」と言わせしめたこともあった。女性に対してバンカラなんて言うんかい?それほど野蛮に見えたのだろうか。

こんな山猿も、大人になり、母になった。美容の仕事をしていると、「美しいとは何か」について、深く深く考えるようになった。美容外科学会に参加すると、症例スライドをたくさん目にするのだが、全然美しくない人がたくさん写っている。これが本当に美容医療なのだろうか、と疑いたくなる。中顔面短縮だの小鼻縮小だの重瞼術だの美容整形手術をしても、「これ、きれいになっているの?」と納得できない。要するに、品がないのだ。本人を見ているわけでもなく、2次元のスライドで伝わってくる品のなさって、いったい何なのだろう。

美容医療に従事して26年。たくさんの患者様に向き合ってきた。いろいろな大人と出会ったが、「素敵だな、私もこんな大人でありたい」と真似したくなるポイントは、はやり『知性と品格』なのである。品とは、相手へ配慮できることであり、マナーを守ることだ。相手の領域に土足で踏み入ることはしない。

立てば芍薬、座れば牡丹、歩く姿は百合の花・・・研修医の時、先輩医師に教わったことわざだが、このようになって欲しいという意味だったのだろうか。静かな声で、丁寧な言葉を話す人。自分自身がそのようになりたいし、スタッフにも求めるし、知性と品格を備えた人たちが安心して通えるクリニックでいることが、我々の使命なのだと自覚している。

そして、治療のゴールは「品のある顔」に尽きる。品のある顔とは、品のある表情ということだ。それは美容医療だけで作られるものではなく、内面からにじみ出てくる人生経験や心持が大きく影響するのだろう。

過剰な美容医療を施された人工的な表情には、品が失われてしまうと感じている。今朝、広尾の交差点で信号待ちをしている時のこと。後ろから大きな声で話す隣国の言語が聞こえてきたので、ふと振り返ると、二度見したくなるほどの不自然な整形顔がそこにあった。これは私の望む美容医療ではない。

知性と品格を備えた顔。

これが当院の目指す美である。

 

 

2026.03.12

ミラノ・コルティナ冬季オリンピック

日本勢が大活躍の冬季オリンピックでしたね。

『ミラノ・コルティナ』は、私にとって思い出の場所であります。

結婚して長女を出産後、1才の娘と愛妻(と勝手に呼ばせていただき候)を残して、単身ミラノのがんセンターに留学した夫さん。

まだ新婚とも言えるタイミングでしたので、離れ離れになるのが本当に寂しくて寂しくて

自称キャリアウーマンの私は、自分のキャリアを諦められず、東京に残り、娘と実家に出戻り、北里研究所病院美容医学センターでのお仕事を続けました。(この決断により今の自分があると思うと、仕事を続けてきて本当に良かったと心から思います。)

3月に夫がミラノへ旅立ちました。

そして9月の夏休みを利用して、母と祖母と娘を連れて、女4世代でミラノへGO

当時の私はまだ若くて、お金がなく、エコノミークラスの最前列3席と赤ちゃん用バシネットを手配

バシネット利用は2才未満で体重制限があったと思うのですが、娘は1才8か月で体格は良く、バシネットが壊れるのではないかと冷や冷やドキドキしかも、フライト中はずっと泣き続け、私はずっと抱っこしながら機内をウロウロ。さぞかし周囲にご迷惑をお掛けしたと思います。この経験があったからこそ、今、機内で泣き叫ぶ子供に遭遇しても笑顔でいることができます。辛いよね、、、

祖母は81歳だというのに、さすが戦争経験者は肝が据わっており、狭いエコノミークラスでも嬉しそうにお酒を飲んで楽しそうでした。泣き叫ぶ娘が最後にやっと寝付いてくれた時、思わず祖母と母と乾杯してしまいました

大騒ぎしながら女4世代、ミラノへ到着

そこからは夫さんの運転で、旅をしました。

9月のヴェネチアは想像以上に暑く、「もっと涼しいところに行きたい!」となりまして、急遽イタリア北東部のコルティナ・ダンペッツォに足を延ばしました。

オーストリアの国境近くです。

コルティナ・ダンペッツォは1956年の冬季五輪開催地でしたので、祖母や母は知っている場所でした。

スイスアルプスのように涼しくて、観光地ヴェネチアと比べると人も少なく、素敵な休暇を過ごすことが出来ました。

コルティナでも、祖母は喜んでワインを楽しんでおりました。。。

 

あ~、イタリアに女4世代(+夫さん)で旅行出来たなんて、今思えば本当に幸せでした。ラッキーでした。

1代目は101歳で天に召され大往生。

2代目はまだ70代ですが、青色吐息。

3代目は体力低下を感じながらも、まだまだやりたいことリストを書き出しながら人生を謳歌中。

4代目は絶好調の20代研修医。

5代目に会うことができたら、一緒にイタリアへ旅行したいです Ciao!

 

このコルティナ旅行を皮切りに、その後繰り返し子連れイタリア旅行が展開されるのでした。

 

線維芽細胞の若返り

強烈なインドダメージからようやく立ち直りました

弱った自分に喝を入れるために、連休だった週末、久しぶりにヒアルロン酸の勉強会に参加いたしました。

従来のヒアルロン酸は、加齢により失われたボリュームや弛んだ靭帯を補強する目的で使用しておりますが、今回のヒアルロン酸は「肌質改善」を目標にした製品です。

頬全体に1㎝間隔で、ごく少量ずつ細かく真皮にヒアルロン酸を注入することで、皮膚の司令塔である「線維芽細胞」が活発に動き出す、ということらしいのです。

線維芽細胞には3つのモードがあり、①再生モード ②低活動モード ③老化モード と呼びます。

①と②は行ったり来たりできるようなのですが、③になると元に戻すことが出来なくなってしまいます

加齢により、肌がくすみ、シミ・しわが増え、たるみが顕著になっていくのは、要するに線維芽細胞の機能低下が原因。

線維芽細胞が老化モードに入ってしまうと、機能低下どころか、シミを増やし、コラーゲンを破壊するなどの悪影響を及ぼしますので、低活動モードのうちに何とか刺激して少しでも再生モードに戻しましょう、というのが治療コンセプトです。

こちらの商品は、「SKINVIVE(スキンバイブ)」というヒアルロン酸で、濃度低めの架橋ヒアルロン酸です。効果の持続は9か月ほど。

 

従来のヒアルロン酸は、頬や唇を膨らませたり、鼻を高くさせることで、注入し過ぎると顔の造作を変えてしまうという不自然さがマイナスポイントとして話題となりました。

いわゆる「ヒアル顔」っていうものです。

あれじゃー、いかんでしょう、ということで、ここ数年はヒアルロン酸をナチュラルに用いる手法が広がりました。

膨らますというより、肌質を整える目的でのヒアルロン酸注射です。

一般的には「肌育注射」と呼ばれています。

プロファイロ、ジャルプロ、スネコス、リジュラン、プルリアル、ジュベルック・・・いろいろな商品があります

当院では2022年からスネコス注射を使い続けていますが、患者様にはなかなか好評です。肌色が明るくなり、ハリが出て、肌ツヤが良くなります。

治療を始めて4年目になりますが、今ではリピート患者様が定着し、一定の効果が得られていると評価できます。

定期的に美肌レーザーを受け、ボトックスや従来タイプのヒアルロン酸治療も経験済みの美容上級者におススメな治療と捉えています。

 

スネコスなど肌育注射は、事前の表面麻酔が必要です。(数名、麻酔なしで受けられる強者がいらっしゃいます。)

目の周りも含め、全顔で80か所くらい注射針を刺しますので、内出血のリスクもあります。直後は赤くフワッと腫れます。

最近は日本製の切れ味の良い極細針を使用していますので、内出血の発生頻度はだいぶ減りましたが、ゼロではありません。

日本人女性はダウンタイムを敬遠しますので、いつでもOKな治療ではないのです。

 

線維芽細胞を元気にさせる治療として、数年前からニードルRFという機器の治療も流行っています。シルファームとかポテンツァと呼ばれています。

最近は韓国に渡航して美容医療を受けるのがブームになっていますので、新しい治療名が続々と登場し、もはやカタカナの呪文のように聞こえてきます。

このように次々と色々なコンセプトで新しい治療が発表されるのですが、それはビジネスです。メーカーは売りたいからですよ

化粧品と同じです。化粧水、美容液、乳液、クリーム、アイクリーム、ナイトクリーム・・・と、商品を変え、手を変え品を変え、複数のアイテムを売りまくる手法です。

新治療ですよ~いいですよ~と囁かれ、手あたり次第に治療を受けても、良い結果を得られるどころかやり過ぎで肌を傷めてしまうことは十分にあり得ます。

繰り返しますが、化粧品と同じです。本当に必要な治療なんて、そんなにたくさんあるものではなく、意外とシンプル治療で十分結果が出てしまいます。

ずっと同じ治療だと飽きてしまう人には、たまには違う刺激を用意することは患者サービスとして良いのかもしれません。

たくさんの治療機器を揃えるのは、経営目線で考えるとコストがかかりますし、当院のように院長の私一人が機器を操作するとなると、そんなにたくさんあっても使いこなせません。

ある程度治療内容を絞って、たくさん症例経験を積み重ねることが、美容医療のスキルアップになると信じております。

当院で提供している各種美肌レーザーも、定期的にメンテナンスすれば線維芽細胞が若返っているような効果を感じることができます。

 

目の前の患者様にとって、本当に必要な治療か?を見極め、適切な治療をご提案する。

そして治療費に対して120%満足のいく結果を出す。

それが私たち美容医療に携わる人間の役割だと思います。

ビジネスでは不必要なものまで売ってしまうから、やはり医療はビジネスライクに割り切れるものではないとつくづく思います。

医療行為が原因で病気を引き起こしてしまう、医原性疾患という言葉がありますが、美容医療にはそのリスクがかなり高いので注意が必要です。

大切なお顔ですから、安易に流行にのってダメージを引き起こすようなことはないよう、慎重に行動して頂きたいと切に願います。

 

それにしても、あれこれ手間暇かけて肌をきれいにする前に、線維芽細胞を老化させている要因を探り、除去していくことが先ではないでしょうか。

UV対策、食生活、お酒、たばこ、睡眠不足、ストレス、化粧品の誤った使用などなど。

生活習慣の改善こそが線維芽細胞の再生に必要であり、それができた上で、美容医療の出番です。

まずはお化粧品(化学物質)の使用を減らしましょう

当院は素肌をきれいにする、ファンデーションに頼らない素肌づくりがコンセプトですから、日々のシンプルスキンケアに加え、定期的に美肌レーザーを受けていただくと、トラブルのない健康肌を手に入れることが出来てしまいます。

美容はコツコツと積み上げ式で、安全に線維芽細胞を若返らせましょう。

 

 

 

 

2026.02.16

インド研修

念願のインド研修旅行へ行って参りました。

出発の前の週に、また母が倒れ緊急入院となり、今回の旅は難しいかも・・・と厳しい状況でしたが、病状もやや落ち着いてきたので、意を決して出発しました

私がどこかへ出かけたり、遊びに行ったりすると、いつも母は「あら、いいわね。楽しんでいらっしゃい。」と必ずポジティブな声掛けをしてくれる人でした。だからきっと、今回のインドもそのように言ってくれている(はず)と信じて。

 

人格を磨き、人生をより良いものにするために、社会を良くするために、学びを深めていたらインド哲学に出会いました。

要するに仏教哲学ですので、それでは仏教発祥の地インドへ聖地巡礼に行く運びとなりました。

インドはまだ訪れたことがなく、足を運んでみたい場所の1つでした。

今回訪れたのは、インド中央部のデカン高原にある以下の3か所です。

アウランガバード近郊の①エローラ石窟寺院群、②アジャンタ石窟寺院群、

ボパール近郊の③サーンチーの仏教遺跡ストゥーパ

ちょっとマニアック過ぎなので、サラっと読み流してください。

 

石窟寺院群とは、火山岩(玄武岩)の山を、人間が鑿(ノミ)と金槌でコツコツ切り出し、掘りぬいて作った僧院と礼拝堂の集合体のことを指します。

岩の塊を掘り抜き、空間を作るだけでなく、仏像を彫りこんだり、カラフルな壁画も描かれていました。

まさに仏教の原点ここにあり。

そこで何かを感じ、過去を想起するというのが今回の旅の目的だったのですが・・・

本題に入る前に、直面したインドの環境問題に心が奪われ、歴史を味わう心のゆとりを失ってしまいました

モヤモヤした大気汚染、

ゴミで溢れかえった道路、

野良牛や野良犬の排泄物、

恐ろしく汚いトイレ、←これ、本当にヤバイです。命がけのスクワットで臨みます。

物乞いの人々、

いい加減な清掃、

しつこ過ぎる物売り、

慣れない土地で、早朝からの観光続き、激しく揺れるバス移動、毎日同じカレー風味食で胃腸機能停止。

「おいおい、こんなネガティブなことばかり書くんじゃない、せっかくインドに行ったのだからもっと美点凝視しなくちゃダメでしょ。」

と天使の囁き。

「何ですと辛いものは辛いんだから、お世辞なんて言ってられないわよ。心身の健康あっての観光でしょ!」と悪魔は一歩も譲りません。

胃腸の弱い私は、旅の後半戦、すっかり食事が喉を通らなくなりました。

大気汚染のせいか、マスクをしていても喉が痛くなり、嫌な咳と悪寒に襲われ、深夜はホットヨガでもやりましたとばかりの寝汗びっしょり

カロナールとロキソニンを使い分けながら飲み続け、何とか無事に旅を終えました。

35人くらいのメンバーでしたが、急性胃腸炎になった人、発熱した人など具合の悪くなった人が続出。

熱が下がらず、現地で入院した人も!

また、帰国してから具合が悪くなり病院受診した人、インフルエンザに罹患した人、日本で入院した人も出る有様。

こんなに病人が出るとは、恐るべしインド。

昔々、中国の三蔵法師が命がけで学びに行った憧れの天竺は何処へ。

文明は必ず滅びる。栄枯盛衰。

歴史のインドより、現在のリアルインドが強烈過ぎて、感じたことを率直に記録しておきます。

しかし、なかなかできない経験でしたので、これも何か意味があってのことではないかと。

その意味は今すぐには分かりませんが、そのうち何か点と点が繋がるようになるかもしれません。

そして、日本人として生まれてきたことが本当に有難く、清潔な国を誇りに思います。

 

このように心身ともにボロボロになりましたが、本日から通常の診療を再開したところ、すっかり元気になってしまいました。私には美容医療診療が元気の源のようです。それに気付くことができたのはインドのお陰。ナマステ

 

 

 

 

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