院長ブログ

2020年4月

髪は女の命

と言いますね。

1昨年から脳出血を繰り返した母が、

「髪の状態がおかしい。パサパサしてどうにもならない

話を聞くと、近所の美容室で、いわゆる「白髪染め」を受けたらしい。ヘアカラーだ。

以前20年近く通っていた美容室では、天然の植物染料を使って染めていた。

若い頃から頭皮の痒みを訴えていた母だったが、この植物染料に変えてから症状が無くなったらしい。

ところが美容室を変えた途端に、髪の調子が悪くなったと言う。

恐るべし白髪染め。

 

いわゆる白髪染めとは、ヘアカラーとヘアマニキュアがある。

全国の美容室で施されている白髪染めは、ほとんどこのどちらかである。

 

●ヘアカラー:永久染毛剤のことで、薬事法上では医薬部外品である。

染毛剤はメラニン色素の脱色色素の生成を化学反応(酸化作用)によって行う。

パラフェニレンジアミンに代表される酸化染毛剤 + 酸化剤(過酸化水素)+ アルカリ(アンモニア)により、脱色しながら酸化染毛剤を髪の内部に浸透させ、酸化剤で酸化重合され発色するという原理。

酸とアルカリを使い、バリア機能であるキューティクルをこじ開け染毛剤を入れていくのだから、キューティクルの内側にあるたんぱく質は流出して、スカスカな髪になってしまう。それを誤魔化すために、シャンプーやトリートメントなどの表面コーティング剤を使うことになる。(顔のスキンケアと同じ!!クレンジングで角質層のたんぱくを破壊し、保湿成分を流出させ、干からびたところに美容液やクリームなどで保湿と称し見せかけの潤いで誤魔化す。)

色素はしっかりと入るため、2~3か月ほど長持ちするが、頭皮や毛髪に対するダメージが強い。

酸化染毛剤であるパラフェニレンジアミンは、刺激性やアレルギー性の皮膚炎を起こすことがある。ある調査によると、アレルギー反応を起こす確率は7%という。事前にパッチテストが必要。

染まる時間の早さと、染まる色のバリエーションの多さがメリット。

 

●ヘアマニキュア:半永久染毛料のことで、薬事法では化粧品である。

染毛に際して、毛髪に対する化学的作用を伴わなず、色素の化学的生成反応も起こさない。

酸性側でプラスの電荷をもつ毛髪ケラチンタンパク質のアミノ基と、マイナスの電荷をもつスルホン酸基を有した酸性染料とのイオン結合により着色すると考えられる。

簡単に言うと、髪の毛の表面に色素が染み込んでいるようなイメージ。

効果の持続は2~3週間と短いが、頭皮や毛髪へのダメージはヘアカラーと比べると弱い。

しかし、洗髪の度に色素が落ちていき、そのたびにキューティクルが剥がれて髪が傷むそうだ。

 

ヘアカラーでもヘアマニキュアでも頭皮や毛髪にダメージを及ぼすことには変わりない。

では、白髪になってしまった人が安心して受けられる染毛方法はないのだろうか?

健康のことを考えると、ヘアカラーなんてしないに越したことはない。

だからといって、急にグレーヘア―に変身できる人は本当に少ないだろう。

白髪にするとぐっと老けて見えるので、その自分の姿を受け入れるまでには時間がかかるそうだ。

母も数年前、グレーヘアにチャレンジしたものの、気分が落ち込むという理由で断念していた。

グレーヘアが似合う素敵な女性は、はっきり言って少ないと思う。

草笛光子さんや近藤サトさん、島田順子さんなどある意味その道を極めていらっしゃる方には雰囲気があるし、全体のバランスの良さがグレーヘアを可能にしていると思う。そして、きれいな肌でいることが欠かせない。当院に通うお客様の中でも、本当にグレーヘアが似合っている女性は数人いるが、かなりハイレベルな領域だと思う。

一般の女性でも、安心して白髪染めができる方法がないのだろか。

湯シャンを極めた私がやることは、本当に頭皮や毛髪にとって健康的な白髪染めの発見である。

この話は続きます。

 

 

 

 


人との接触を8割減らす

日本もいよいよ雲行きが怪しくなってきています。

緊急事態宣言が発令され、百貨店など多数の人が集まる商業施設、居酒屋、飲食店など次々に自粛休業していますね。本日の東京都感染者数は180人を超えたという速報があり、累計1520人だそうです。

政府は、「理美容は安定的な国民生活を営む上で必要な事業」と発表しています。

当院の患者様も、「白髪染めしないといけないから、美容室が閉まったら本当に困る」と仰っていました。

美容室が必要なら、美容医療も必要なんだ!とポジティブに解釈して勇気づけられたものの、

人との接触を8割減らしなさいと言われると、

診療の継続について本当に悩みます。

平時は1日10人程度の診療を行っていましたので、

1日2人の診療にすれば許されるのでしょうか?

午前1人、午後1人 なら感染リスクを減らせるのでしょうか。

 

一方、海外に目を向けると、命を守るために外出していないようです。

自粛要請などと甘い話ではなく、

保障がないなら働かないと、といった次元ではなく、

生きていたいから外に出ない。そんな感じです。

 

日本も時間の問題のような気がします。

 

世界の動きを追うために、ここしばらくネットとテレビ漬けで疲れました。

これを機会に、新たな世界に向けて、

在宅可能な仕事を計画して、進めていきたいと思います。

 

 


美容医療は「必要」か「不要」か?

3月下旬から、東京都の新型コロナ感染者数は増える一方です。

ヨーロッパやアメリカの状況を見ていると、他人ごとではありません。

このような状況で、4月に入ってさすがにキャンセルが増えました     当然ですので、皆さまお気になさらないで下さい。

それでも美容が「必要」(というか当たり前?)の超美意識の高い患者様は当院へ治療を受けに来て下さいます。平時であれば考えないことですが、今回のような有事となりますと、自分が必要とされていることに深く感謝の気持ちが湧きますし、彼女たちの期待に応えなければという気持ちが大変強くなりました。そして、仕事ができる喜びをかみしめます。

 

美容医療に携わって20年。

 

若い頃は自分の成長を第一に頑張りましたが、20年の間にいろいろなことを経験するうちに、患者さんの美と喜びのために何ができるかを最優先に考えるようになりました。誠実で真摯な上司との出会い、患者さんの病気や死、スタッフ問題、子育てや家族問題などの経験から多くのことを学びました。

 

美容医療は保険診療とは異なり、治療のゴールが人それぞれ違います。

そもそも美意識が違います。求める「キレイ」が違います。

医師が良いと思っても、それが良くないと思われたら治療は失敗です。

患者さんは自分と気の会う医者を探します。

医者は患者さんの思いを感じ、満足していただける治療を考える。

時には無理なことは無理と断る勇気も必要です。

美容医療は頑張りすぎるとダメなんです。

バランスを崩す可能性があります。

100%でなく80%を目指すことを心掛けています。

 

そして、見た目が全てではないこと。

「美人は3日で飽き、ブスは3日で慣れる」

ということわざがありますよね。

これ、本当だと思います。

自分が気にするほど、周りは何とも思っていないんです。

人の魅力は、優しさとかユーモアとか、努力家とか責任感とか、目に見えない人間性の部分が大きく反映されるんですよね。。。

 

だから、自分自身が、

「あ、今日は何となく肌の調子がいいわ。」

と思えるようなコンディションに整えることが目標です。

自己満足でいい。

だれでも年齢には抗えないから、

肌の調子が悪くならないように生活習慣に気を配るようになります。

食事に気を付ける。

アルコールやたばこは控える。

ストレスを溜めない。

良く眠る。

運動する。

そして美容医療を受ける。

 

一部の女性にとって、美容医療は「必要」なのです。

女性の美は生きる喜び。

長年かけて身につけてきたスキルで、こんな時だからこそたくさんの女性を幸せにしたいのに、困難な時期となってしまいました。本当に残念です。

患者さんやスタッフの健康を考えると、当院も一時休診にしなければならない時なのかもしれないと、ここ1週間真剣に悩んでいます。しかし、保険診療を行っている友人らは、コロナの恐怖と戦いながら日々診療を続けています。医師の責任感って凄いです。それを思うとなかなか決心できません。

状況により休診にする場合はホームページに情報を載せますので、そちらをご確認下さいませ。

皆さま、くれぐれも用心してご自身やご家族をお守りください。

※私はなるべく外出しないよう、ネットで購入できるものは済ませ、やむなくスーパーへ行くときは使い捨て手袋とアルコール消毒を持参して出かけます。買い物かごやドアの扉、クレジットカードなどにアルコールを噴霧しています。また触れる度に手をアルコール消毒します。混雑している店内には入らず、長蛇の列には決して並びません。場合や電車には乗らず、車です。犬の散歩はソーシャルディスタンスを意識して出かけます。外食はゼロ。このような神経質生活がいつまで続くのやら・・・