院長ブログ

健全な美容医療を目指して

週末、美容医療の勉強会があり、大阪へ

金曜日の診療後、新幹線で向かい、深夜に到着。

土曜日と日曜日のお昼までミーティングが続き、その後京都に用事があって立ち寄り、東京に戻ったのはまたもや深夜

久し振りのハードスケジュールで、全身の細胞が破裂するかと思いました。

週末は別荘でリフレッシュなんて人もいらっしゃいますが、私には絶対無理

身体が持ちません。

 

さて、本題に戻りましょう。

私の愛する美容医療。

時は流れて、受ける患者さんの属性も変化しましたが、治療する医師の考え方も変容しています。

一昔前は、美容外科手術を受ける人は大変珍しく、広く万人に受け入れられるものではありませんでした。今は「一般の人でも気軽に美容医療を」というコンセプトを大手美容チェーン店が努力して打ち出しているので、美容医療への間口はかなり広がっているような印象を受けます。テレビCMはもちろん、電車内広告でも目にするようになりましたし、一般の人でもSNSやYouTubeで自分自身の治療経験を公表する時代となりました。

目を大きくしたい、鼻を高くしたい、唇をぷっくりさせたい、小顔になりたい・・・と顔の造作を変えることで、コンプレックスから解放されましょう!と言わんばかりに、まだ善悪の判断もつかない若者の心に「キレイになりたい病」を忍び込ませる悪魔がいることをお忘れなく。

不必要な治療を勧めたり、支払い能力のない人にローンを組ませたり、資本主義に生きる金亡者は容赦しません。

リアルな容姿を変化させるだけでは気が済まないのか、さらに写真を加工するので、もはや別人。

一部の人たちにとっては「加工」がデフォルトらしく、「加工しない」ことが異常というのだから、もう私にはついていけません 加工なし=すっぴん?? みたいな??

あ、そういうことか!加工はメークと同じ感覚なのでしょうね。

365日すっぴん、肌断食推奨の身としては、どうやっても盛りようのない自分の素顔と向き合いながら、「まあ、こんなものよね。」と自分の実力を受け入れて生活しています。

50歳も過ぎると、その老け顔にゾッとするのですが、若かりし頃の自分の面影を重ねてしまうから、「こんなんじゃない」と抵抗したくなるのです。でも、それが現実で、そんなものです。「もう歳だから仕方ないわよね。」と割り切る考えがある一方、「諦めたら(女は)終わりよ」と一生懸命抗う人たちもいます。まあ、どっちだって良いわけで、正解があるわけでもないから、自分が快適なように美容医療と付き合えばいいのではないかと思っています。

人工美を求めて一生懸命になり過ぎて、バランスの崩れたお顔になってしまうケースもありますが、それを希望している人たちもいるので、悪いとも言い切れません。ただ、あまりにも人工的な顔に対して、「不自然になるから美容医療は嫌」と全否定されるのは、美容医療に携わる身としては悲しいものです。それはあくまでも一例であり、美容医療を受けたら全員が人工顔(アバター)になるわけではありません。

こんな時代だからこそ、私は健全な美容医療を提供したいと思うようになりました。

HIFUで引き締めて、糸リフトでリフトアップして、目の下の脂肪を除去して、頬・額・鼻・顎などにヒアルロン酸を入れて形を変え、フラクショナルレーザーとダーマペンで毛穴を小さくさせて、、、という終わりなき美容医療旅を続けていても、決して美しくなれないことを、何となく肌感覚で理解しています。

何事もほどほどに。

私たち美容医療に携わる者は、患者さんの顔に対して大きな責任を感じています。

だからこそ、健全な美容医療を提供する1人の医師として、美容医療との適切な付き合い方を伝えることが、これからの私のやるべきことなのではないかと考えるようになりました。

やり過ぎは要注意です。美を損ねるばかりか、肌の健康まで損ねてしまうからです。中高年になると、肌のバリア機能が一度壊れてしまったら、回復までに何か月、下手をすると何年も時間がかかってしまうのです。

過ぎたるは猶及ばざるが如し。

美容医療はスタンダートな治療だけでも、長い年月をかけてコツコツ治療を積み重ねれば十分効果を出すことができます。

たくさんの美容機器に惑わされませんように。

流行に流されず、自分軸をもって美容医療とお付き合いする「大人美容」を提供するクリニックでありたいと思います。

 

 

 

 

 

 


薔薇

3月にプレゼントされたミニ薔薇が一度全て枯れてしまいました

可哀想なので毎日気になって枯れた葉を摘み、お水をあげていたら復活。

5月に入り、再びぽつぽつと咲き始めました。

 

鉢が少し小さく感じたので、ホームセンターで一回り大きな鉢と土など購入して植え替えました。

あれれ・・・?

写真を並べてみると、以前のほうがバランスが良いかしら??

鉢植えのセンスが悪いのか、写真の撮り方が悪いのか

 

園芸は興味がなくて、ずっとスルーしてきましたが、最近植物が可愛らしく思えるようになりました。

葉やつぼみ、花を観察していると、「ああ、生きているんだ」と生命の息遣いを感じます。

犬の散歩中でも、道端に何気なく顔を出す草花や、キレイにアレンジされた植栽にも目が行くようになりました。

植物を愛でる気持ちのゆとりができたことに、私自身驚いています。

要するに暇になったということ!

フランスの思想家であるパスカル曰く、「我々人間は退屈に耐えられないから気晴らしを求めている」とか。

よく耳にする女性の気晴らし方法(趣味)としては、

・推し活(K-POP多め)

・韓流ドラマ

・宝塚

・スポーツ観戦

・ペット

・ゴルフ

・ワイン

・スポーツジム

・ジョギング

・ハイキング

・旅行

ですが、他にも書道、日本画、外国語学習、手芸、歌、長唄、三味線、ダンス、食べ歩きなどいろいろありますね。皆さまの気晴らしは何ですか?

 

『暇』ってとてもいいことですね。有閑マダムではないので、暇は作らなければなりません。私の場合、暇は全て診療のために存在すると考えます。熱中できることを楽しみ、魂の英気を養い、それを仕事に活かせることが、何より充実感があります。

何をしていても、クリニックでの仕事と紐づけて物事を見てしまいます。

人の一生は、年齢・環境・家族関係等により、興味のあることや集中したいことが変わるので、見える景色も変化していきます。

最近、薔薇に興味が持てたことも、きっと何か意味があることなのでしょう。

このようにあれこれ思考するのもまた楽しいものです。

 

 

 


シミとストレス

ゴールデンウィークも過ぎると、職業柄どうしても気になるのは「紫外線」

今頃からぐぐぐーーーと紫外線量は増えます。

真夏は気温も高く、日差しが強いせいか、紫外線対策に気を配りますが、初夏の涼しい日や曇りの日はどうしても油断しがちです。

よって、Qスイッチルビーレーザーな表皮を傷つけるダウンタイムを伴う治療は、極力控えるようにしています。

せっかく治療しても、紫外線の刺激によって再発しやすくなるからです。

お急ぎでなければ秋以降に治療しましょう。

 

さて、「シミ」といってもいろいろあります。

よく目にする代表的なシミは、

①老人性色素斑

②脂漏性角化症

③肝斑

④雀卵斑

でしょうか。

いずれのシミも、紫外線を浴びると濃くなりますので要注意です。

 

私は日々患者さんの皮膚を診察していますが、定期的に来院する方々が多いので、1人ひとりの皮膚を長期にわたって観察できることが、自分の強みだと自覚するようになりました。

長い人ですと、20年以上診続けています。

それぞれのライフイベント(結婚、妊娠、出産、更年期、老年期)やスキンケアをヒヤリングしながら肌を眺めていると、いろいろなことに気付きます。

ひとつ興味深い例をご紹介しましょう。

当院でも“超”がつくほどの美肌の持ち主の頬に、モヤモヤ…とシミが浮き上がってきたことに気付きました。もちろんご本人も自覚していました。

数か月経った頃、その美肌さんは、「どうやら寝不足になるとシミが姿を現すのです。意識的に睡眠時間を取ると、シミが引いてくるのです。自分が一番気になるところにこのようなサインが出るとは、カラダを労わりなさいということなのでしょうね。」と仰っていました。

私のクリニックでは、極力化粧品を使わないスキンケアを推奨していますので、日々の化粧品による肌ダメージはありません。皮膚のキメも整っています。定期的に美肌レーザーを受け、トランサミン内服など基礎的なスキンケアはしっかり行っているにもかかわらず、急にシミ(特に肝斑)が目立ってくるケースが時々あります。

今回ご紹介したケースは、寝不足⇒活性酸素⇒メラノサイト刺激⇒メラニン増加?? が考えられます。

その他に、急激にシミが濃くなったケースを、私の記憶から引き出してみました。

その主な原因は、思い当たる限り以下の通りです。

1.病気

2.多大なストレス

病気が多大なストレスを引き起こしているので、結局のところ「ストレス」がシミの悪化要因であると考えます。

原因が一過性の場合、ストレスが軽減されるとシミもちゃんと薄くなってくるのです。

ストレスが加わると、カラダを防御するために、副腎からコルチゾールというホルモンが分泌されますが、これもシミの原因と言われています。

ストレスといってもいろいろありますし、それをどのように受け止めるかについては個人差が大きいですから、ストレスというのは何とも漠然とした捉えどころのない煙のような存在ですね。

何でもかんでも、ストレスのせいにするのは十把一絡げのゴミ箱診断みたいで好きではありませんが、シミが急に濃くなるというのは、カラダから発せられた何かのサインであることは間違いないと思います。

私はストレスを感じると、胃が痛くなって食欲がなくなります。または背中が痛くなります。

人によっては、カラダのコリとして現れたり、肌荒れとして現れたり、円形脱毛症になったり、眠れなくなったり、それぞれ弱い部分があるような気がします。

たかがシミ、されどシミ。

皮膚に現れるサインを見逃さず、シミの少ない、健康的な素肌とカラダづくりをサポートしていきます!

 


余暇の過ごし方

いよいよゴールデンウィーク。

テレビで大混雑な空港や高速道路を目にする度に、「こんな人混みの中をよく移動するなぁ。」と冷めた気持ちになるのですが、今年は私もその仲間入りをすることになってしまいました

明日からちょっと出かけてきます

久し振りに親族一同で集まります!皆の都合を合わせるには、どうしても休日になりがちですので、仕方ないですね。

 

混雑した場所に身を置くと、心底ブルーな気分になってしまうので、極力人混みは避けています。

盆暮れ正月、GWの旅行は外すのが原則。

ディズニーランドや日曜日のデパートもNG

最近観光客が増えたようですが、東京が余計に混雑するので困ったものです。

コロナ禍くらいの空き具合が懐かしく感じます。

 

日常が戻ってきた今、これからどのようにこの大都会東京で快適に暮らすかを考えねば。

 

皆様も思い思いの休日をお過ごしくださいませ。


レーザー後の発疹

最近、美肌レーザー後の発疹に関するお問い合わせが増えています。

当院にご来院下さる患者さんの8~9割は、美肌レーザーを受けています。

美肌レーザーとは顔全体に照射するレーザーのこと。

皮膚の表面を傷つけないので、ダウンタイムがほとんどないのが最大のメリット

日常生活に支障なく続けられる美肌治療です。

1度の治療で劇的な効果はないものの、継続することで確実に素肌力を向上させてくれます。

 

美肌レーザーの中でも“QスイッチNd-YAGレーザー”、別名「レーザーピーリング」はやや鋭い当たり方をするため、その刺激の強さが原因で、たまに赤いプツプツとした発疹が出ることがあります。

開院当初から使用していたQスイッチNd-YAGレーザー機器は、発疹の出現する頻度が2~3割くらいあった印象でしたが、2018年に新しい機器に変更してからは発疹出現頻度が激減しました。以前は保冷剤で冷やしながらレーザー照射していましたが、現在の機器ではそれが不要になりました。患者さんも楽になったと言います。

ところが、この1~2か月、なぜかレーザー後の発疹に関する問い合わせが4~5件続きました。

パワーを強く設定したり、長時間照射すると、発疹のリスクが高まります。

その他に考えられることは、花粉症のシーズンで肌がやや敏感になっていたのかもしれません。

発疹出現自体は悪いことではなく、レーザー照射に伴う合併症の1つであり、一過性であり、まず問題になりません。多くの場合は2~3日で消退しますが、中には1週間以上かかる場合もあります。

大切なことは、出た場合の対処方法です。

ここで対処方法の復習をしておきます。

≪レーザー後発疹が出た場合≫

①冷却 ※保冷剤を使用する

②痒みを伴う場合、リンデロン軟膏またはローション(ステロイド)を直ちに使用する。

③掻かない!

ポイントは、我慢せず薬を塗ることです。

塗ったら負けとか、ステロイドが怖いとかではなく、発疹を長引かせる方が問題です。

塗れば1~2日で発疹は落ち着きますが、我慢して引っ掻いたりすると、治るまで時間がかかってしまいます。

傷跡がシミになったら困りますからね。

皆さん、しばらく様子を見ているのか、2週間後くらいに問い合わせの連絡があるため、この度ブログで注意喚起しようと思いました。

今までレーザー後何もなかったのに、突然発疹が出ることもあります。

その場合は冷却して薬を塗る!引っ掻かない!!

それさえ守って下されば、特に怖いことではありませんし、シミになることもありません。

レーザーピーリング以外のレーザーで発疹が出ることは稀ですが、ゼロではありません。

レーザー治療はそういうものであり、対処方法があるということを、今一度ご理解くださいますようお願い申し上げます。