美容医療はおかしいか?
港区白金という場所で美容クリニックを開業している、と言うとドン引きされることが度々ある。
「何をされているのですか?」
「私、医者なんです」
「何科の先生ですか?」
「美容をやっています」
・・・・・
「どちらで?」
「東京白金です」
「白金、、、すごいですね
」
私は港区白金にある北里研究所病院で美容外科研修を受けたので、その流れで近くに開業する運びとなった。白金は自然の成り行きであり、特別なことでも、無理していることでもない。自然体![]()
仕事はシミ取り、しわ取り、アンチエイジングだ。
ボトックス注射なんて、筋トレを同じくらいの感覚で、若々しくいたいならば是非とも受けていただきたい医療だと思っている。リスクと天秤にかけてもその効果は絶大だ。
しかし![]()
以下のような意見もある。
「唇をすぼめたときに顎に皺が寄るのが嫌で顎にボトックスを打つ人も多いのだと聞いてショックを受けた。皺が寄るのはあたりまえなのに、その物理的な変化まで薬剤を注入して消したいと思うのはおかしいのではあるまいか。」
宮下奈都.(2026年10月4日.) 取り残される人. 日経新聞
私の仕事を“おかしい”と思っている人もいるのだ。
宮下さんは、同コラムで、美容医療と並列に、子供の小学校受験のことを取り上げている。
「子供のうちはたくさん遊んで楽しく過ごしたほうがいいに決まっている。その基礎があってこそ、成長していくと少しづつ頑張れるようになり、ちゃんと自分の意思で勉強できるようになる。それでは間に合わないというのであれば、それは受験制度が歪んでいるからではないだろうか。」
なるほど。それはagree.
最近の港区教育事情は、おむつも外れないうちから幼児教室に通わせたり、インターのプレスクールで英語を学んだり、小学校低学年から受験塾に通ったり、その教育費は月何十万かかるのだろうか、といった具合である。
もっとすごいのは、犬の幼稚園やトリミングサロンである。
さらに宮下さんは続ける。
「顔に何も施さない無課金状態で外を歩くことが恥ずかしいことになっていくのかもしれない」
すでに、化粧をしないと外出できない人はたくさんいるから、顔に施す対象が化粧から美容医療にシフトするだけではなかろうか?
美容医療にしても、小学受験にしても、ある人たちにとっては当たり前の環境が、他の人にとっては全く関係のないことなのである。
この感覚はとても大切だと思う。
自分にとって関係のあること・ないことがきちんと線引きできることが、世論や同調圧力に屈せず、自分軸を持って強く生きる術なのだと思う。
世の中、本当にいろいろな人がいるから、自分にとって関係のないことを批判することもあるまい。
美容医療はおかしいと思う人もいるだろうが、日々現場で治療をしている身としては、美容医療がもたらす幸せは、なかなか良いものだと言いたい。単に皺を消すのではなく、悩みも消して、心が健康的になる。精神を安定をさせ、自信を持って前向きに生きるようになれる。笑顔が増え、感謝の気持ちが湧き出てくる。素敵な仕事だ(自分で言うな
)
新聞記事に反論するつもりはない。むしろ感謝だ。
ルッキズムまみれな世の中に対するアンチテーゼとして、貴重なご意見だと思う。
先月配信されたネットフリックスの「ダウンタイム」も話題だが、美容医療がここまで社会現象を起こすとは、自分の仕事に関心が集まったようで、なんだか嬉しい。
