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妊娠線のケア

妊娠線のケア

妊婦と子供のスキンケア

妊娠期

妊娠線とは?

妊娠線はおなかが急激に大きくなることでできます。
おなかが大きくなることで皮膚(表皮)が伸び、その下にある真皮と皮下組織が表皮の伸びに追いついていけないと裂けてしまい、これが妊娠線となります。
見た目には、やや隆起したピンク色線状病変として発生し、のちに軟化、白黄色になります。
分娩後は瘢痕化し、治癒することが難しいと考えられています。

海外での過去20年の妊娠線の研究では6件の報告があり、妊娠線の発生頻度は48%〜87.8%とされています。
現代の医学における妊娠線に関する研究報告は少なく、妊娠線に関する出現機序や原因についても正確な情報が明らかにされていません。

予測因子

年齢、体重増加児の出生体重、家族歴が挙げられていますが、文献により予測因子は異なります。

妊娠線ができやすいところ

二の腕、バスト、お腹・下腹、お尻、太もも

予防策

保湿クリームの使用について

保湿クリームなどを妊娠線の出来やすいところに塗り、皮膚表面を滑らかに保つことが妊娠線の予防になるという考え方があります。これは、皮膚表面の伸びに対しては有効ですが、妊娠線ができる真皮と皮下組織の間までは、保湿剤は浸透しません。
保湿剤が浸透しやすい層は表皮にある角質層のわずか0.02ミリまでです。保湿クリームによる妊娠線の予防は個人差が大きく、医学的には確立されていない状況です。

体重のコントロール

適正な体重増加を知り、急激な体重増加を避けます。

妊娠中の適正な体重増加の目安
BMI = 体重 ÷(身長×身長)
・BMI 25以上 … 5キロ 
・BMI 18.5〜25.0未満 … 7〜12キロ
・BMI 18.5未満 … 9〜12キロ

適度な運動を行う

急激な体重増加と皮下脂肪の増加を防ぐために、適度な運動をすることが大切です。
無理のない範囲で、ウォーキングや、マタニティヨガ、お掃除などで体を動かし、緩やかな体重増加を目指しましょう。

腹帯やガードルの使用

腹部を支えて、急激な皮膚の伸びを予防できます。

参考文献

  • 『最新版らくらくあんしん妊娠・出産』 (著)荻田 和秀
  • 『福岡県薬剤師会』 公益社団法人
  • 『長時間保湿作用を有する保湿剤塗布による妊娠線出現予防効果の検証』  山口 琴美