クリニックのお仕事
クリニックを開院して16年目。
診察室のベッドもレーザーもパソコンも、機械系のものは全て新しいものに交換していることに気づきました。
これは、先日交換した診察ベッドです。
どちらが新しいか判別できますか?
耐用年数7~8年と言わる電動診療ベッドですが、15年以上も使い続け、全く故障もありません。しかし、電気モノなので、診療中に壊れるリスクを考え、泣く泣く交換。ドナドナ再びです たくさんの患者さんを受け入れてくれたベッドさん、本当にありがとう。
どうも私はモノに感情移入してしまい、手放すことが苦しくて仕方ありません。
しかし!新しいベッドはさすが最新式メディカルベッドです。
椅子の状態からフルフラットベッドに変化
頭の高さや角度も自由自在。
『白金のファーストクラス』と呼んでおります。
大変寝心地が良いと、患者様にも好評です。
「あれ?ベッドが変わりましたね!すご~い」と目新しいモノに驚いて下さる瞬間が、何とも可愛らしく、見ていて楽しくなります。
古いもの(思い)を大切にしながらも、バランス良く新しいものを取り入れていくことは、経営にとって重要なエッセンスです。
毎日触れているものは、古びても気づかないことがあり、頭を錆びつかせます。
何でも新しいものにしてしまうと、物事の重みや風格が欠如してしまいます。
美容クリニックなのだから、きれいは当たり前。
プラスαで、「えっ!」と驚くような一工夫を凝らせるよう、感動のヒントを得るために上質なサービスを探し求め全国行脚しています
秋は学会シーズンです
昨年はコロナの影響で、対面の学会はことごとく中止になりましたが、今年はボチボチ再開です。
9月30日~10月1日の2日間、大阪で日本美容外科学会が開催されました。
9時スタートですので、始発の新幹線でLet’s go
オンラインなしの100%対面学会です。
想像以上にたくさんの先生方が参加され、会場は以前のように賑わいを取り戻しましたが、当然懇親会や飲み会のようなものは全て中止です
1999年に初めてこの美容外科学会に参加して以来、毎年参加しています。
20年以上経ち、すっかり世代交代した印象を受けますが、第一線で活躍されている先生方のお話を聴ける貴重な会合だと思い、毎年楽しみにしています。最近、若い先生たちが非常に熱心に美容医療に取り組む姿に触れ、この業界が正しく発展することを願ってやみません。
美容外科の学会なのですが、近年はノンサージカルな美容医療が幅を利かせていますので、レーザーや注入治療など侵襲性の低い治療の話題も含まれています。
最近はインスタなどSNSやメディアの影響で、
「HIFU(高密度焦点式超音波)ってどうですか?」
「ダーマペンって効果ありますか?」
「スレッドリフトってどうなんでしょうか?」
のように、治療名について質問を受けることが多くなりました。
はっきり申し上げます
この治療がベスト!
・・・なんてものはありません
一方、この治療は最悪!!
・・・っていうのもほとんどないのです
それぞれの治療特性をよく理解した医師が、
患者さんの顔状態を的確に評価し、
患者さんの性格と希望を加味して、
適切な治療を提案し施術することで、
患者さんに満足していただけることが、
美容医療の成功だと考えます。
今、HIFUというたるみ治療の名前だけが独り歩きしていますが、
「HIFU最高引き締まって効果抜群!」
という人もいれば、
「HIFUで酷い目にあった。もう二度と受けたくない」
とご立腹の方もいらっしゃいます。
痛みや術後の腫れが酷かったようです。
私も過去に3度ほど受けたことがあります。
先日受けたHIFUは、皮下組織が60~70℃という高温に熱せられることで激しく熱損傷を受け、顔面の痛みが10日ほど続きました。
頭頂部のピリピリとした神経痛も続きました。これらはもちろん一過性で回復するものです。
また、首筋の筋膜が拘縮を起こしてカチコチに硬くなってしまいました
1か月以上経ちますが、少し柔らかくなってきたものの、まだ硬い筋状に変性しています。
その割には「???」という効果でして(※個人の感想です)
一緒に受けたスタッフは、フェイスラインの引き締まりや肌状態が良くなり、とても効果を感じているそうです。(※個人の感想です)
この治療は術者の腕がかなり影響する治療だと再確認した次第でございます
また、HIFUというのは治療方法であり、機種はいくつかのメーカーが販売しています。
機種による効果の違いというのも考えられます。治療費もピンキリですよね。
よって、HIFUに精通した医師が、患者さんの顔状態を正確に評価し治療するのであれば有効だと思いますが、
不慣れな医師がブームに便乗して、深く考えず安易に治療を行えば、それなりの効果しか出ないでしょうし、トラブルを引き起こすことも十分考えられます。
美容医療業界において、「この治療が一番」というものは存在しません。
大切なことは、医師のお見立てと治療技術に尽きます。
私の得意とする治療は、穏やかに緩やかに、治療効果を積み上げていく方式です。
一発逆転を狙うようなハイリスクな治療はせず、
じわりじわりと攻めていきます。
それでも月1回レーザーを当て、
年2~3回ボトックスを受け、
年1回のヒアルロン酸を続けていただければ、
老化がストレスにならないお顔を実現することができます。
美容医療は欲を出して攻めすぎると、「いじった」不自然さが出てしまいます。
そこの一線を超えないようにすることが何より大切だと肝に銘じています。
もちろんもっともっと良い状態にしたいから、医師も頑張るのですが、美容医療にも出来る限界があります。
例えば、50歳過ぎているのに、目元の小じわを全て無くすなんて無茶なんですよ。
出来ないことは出来ませんと断る勇気も大切です。
私たちは美容医療のプロですから、
1人ひとりの患者さんに合わせた治療をご提案することが使命だと心得ています。
ネット情報頼りの患者さんが治療を選択するのは自由ですが、
それの言いなりになるようでは、我々医療従事者の価値が低下すると思います。
「先生にお任せします」と一任されることが、医者冥利に尽きます
スタッフ教育に力を入れ、プロフェッショナルチームでいられるよう自己研鑽を続けようと、改めて思いなおした大阪での学会でした。
以上の理由で、当院では流行りのHIFUを今のところ導入していませんが、HIFUに負けない引き締め治療を提供することができますので、ご興味のある方はお尋ねくださいませ。
今、熱中していることはありますか?
コロナ禍では、対面のセミナーや勉強会がすっかり減ってしまいました
しかし、オンライン開催がどんどん増えていますね
日経新聞には、毎日たくさんのセミナー情報が載っています。
私は、これから白金ビューティフルエイジングクリニックをどのようにしていくか?というビジョンについて、深く考えることに熱中しています。
解決の糸口を探るべく、8月から「Well-being組織の作り方」というオンラインセミナーに参加しています。
最近話題の「Well-being」ですが、「良好な状態でいること」という意味です。
※SDGsやESGなど、何かとアルファベットが多いことにいやらしさを感じてしまうのは私だけでしょうか?
我々一人ひとりがWell-beingでいられれば、仕事の創造性は3倍、生産性は31%、売上は37%上がり、欠勤率と離職率は下がるという研究があります。いかにWell-beingを高めることに心血を注ぐかが、良い組織を作る上でのキーになると言うわけです。
約40人が参加していますが、経営者もいれば、企業で人事の仕事をしている人もいますし、コーチングやコンサルタント、平社員一兵卒でも職場の雰囲気を良くしたいという強い思いを持っている人もいます。
共通して言えることは、「職場を良い雰囲気にしたい」という思いが人一倍強い人たちであること。
ディスカッションや質問など発言も積極的で、会ったこともない人たちとオンラインディスカッションを続けていますが、その時間が実に心地よく、オンラインミーティングの有効性に驚愕しています。
目的がハッキリしている人たちとのディスカッションは有意義で、小気味よいものです。
私は、何のために働いているのでしょうか・・・
この先、クリニックをどのような方向に導いていけば良いのか・・・
30代は自分のクリニックを開業することが目標で、その準備に夢中でした。医療行為として、一人で責任を持って診療できるような技術を身に付けなければなりません。経営、人事、労務、経理、マーケティング(文字にするとカッコいいですが、実際はもっと泥臭い作業です)などは、開業してから必要に迫られて学びました。
40代はクリニックを成長させることに夢中でした。美容医療は次々と新しい治療が発表され、手技も日進月歩です。新しい治療を学び、習得し、臨床で実践してみます。有難いことに患者数も順調に増え、クリニックも拡張し、スタッフのお給料も上げることができ、社員旅行に出かけ、研修合宿も開催し、それらすべてが幸せな経験でした。
化粧品をやめるためのノウハウをまとめたウェブサイト『肌ルネ』の制作も一大事業でした。公開して1年以上経ちますが、おかげ様で、毎日少しずつ会員登録数が増え、化粧品をやめたいと願う人たちのお役に立てているような気がします。問い合わせもひっきりなしで、日々スタッフが対応に追われています。
そして今、スタッフは立派に成長し、運営も安定してきたところで高原社会のような平和を感じる一方、このようなぬるま湯につかっていては衰退してしまいそうだという危機感は常に隣り合わせです。栄枯盛衰、諸行無常ですから
平和のままでは物足りなさを感じてしまうのは、どうしてなのでしょうか。新しいことにチャレンジして高みを目指さないと生き残れないような気がするのは、生存本能なのでしょうか。いや、成長意欲なのだと思います。
次なる新しい課題を見つけては取り組むことの繰り返しです。
今現在、私の課題は、Well-being組織を作るための“キー”を考えること。
お散歩中も、トイレの中でも、入浴中も、食器を洗いながらも、深夜パソコンに向かいながらも、考え・考え・考えまくってようやく決まりました
【しあわせメンテナンス】です。
し:志と覚悟
あ:愛と感謝
わ:和を以て貴しとなす
せ:成長と成功
メンテナンス:“しあわせ”の定期的な確認作業
お肌のお手入れもメンテナンスが重要ですが、
人の心も定期的にメンテナンスしないと、日々の業務に忙殺されて、大切にしなければならない思いがなおざりになってしまいます。
すべての仕事は【しあわせメンテナンス】という土台の上にあるということを、スタッフ全員と共有し、東京白金にしかないオンリーワンのクリニックであり続けたいと思います!
だんだん群青色に染まる夕暮れ時の空。
この上なく心地よい時間に、犬とお散歩するようにしています。
少し前までは蝉がミンミン大合唱していたのに、気が付けば秋虫たちが静かに鳴いていることに気づきます。
都会育ちの私には、何という虫か区別がつかないのがちょっと残念
さて、秋と言えば、待ってました!シミ取りシーズンの始まり始まり
※シミにはいろいろ種類がありますが、ここでのシミは老人性色素斑(加齢によって出来るシミ)のことです。
「シミ取り」というと、一回で跡形もなくシミが消え去るような誤解を招きますので、私たちは「シミ払い」と言うことにします。
ジリジリ紫外線とジトジト汗から解放され、ようやくルビーレーザー解禁の季節到来です。
何だかボジョレヌーボーみたいですよね。
夏でもお構いなしにルビーレーザーを当てているクリニックもあるようですが、私は断固反対です
シミ払い治療直後に、ギリシャ、サイパン、沖縄など日差しの強いところに旅行をして、せっかく薄くなったシミがあっという間に再発してしまったという残念な症例をいくつか経験しているからです。
術前術後のスキンケアが大切です。UVケアとトランサミン・ビタミンC内服は必須。
シミ払いレーザーは、表皮に傷をつけてバリア機能を一時的に弱くさせてしまいますから、当然紫外線に対しても無防備となります。よほどのことがない限りは、秋~春の間に治療することをお勧めします。
シミは生き物ですから、時間経過と共に再発するのですが、1年で出てくるシミもあれば、10年後も薄くなったまま再発しないこともあります。
1回の治療で全く目立たないほどキレイに取れることもありますが、2~3回照射が必要なシミもあります。その場合、治療間隔は9か月以上空けるようにしています。なぜなら、レーザー照射によって壊れたメラニン色素はゆっくり時間をかけて排泄されるからです。
加齢とともにどんどん溜まるメラニン色素。
血行が悪くなり、新陳代謝の低下によりゴワゴワたまる角質、毛穴汚れ。
コラーゲンが減少し、ハリが失われ、たるみます
ルビーレーザーはシミ払いだけではなく、一気に肌の再生を促しますので、一皮剥けて生まれ変わるお肌はベビースキン
今年の秋冬は、白金でシミ払い。
清潔肌を目指します。
当院は9月で15周年を迎えます。
15年といえば、この世に生を受けてから中学卒業するまでの年月でございます。
赤ちゃんが中学生に成長する月日が経過したのです
この節目を心に刻むため、今日は挨拶文を書いてみます。
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得意な治療は「ボトックス」
1997年研修医となった私は、「点滴当番」と「夜間当直」という業務の中で、患者さんの血管に針を刺しまくるのが日常でした。
採血だけではなく、静脈点滴をするための「ルート確保」という留置針を刺して固定します。高齢者や糖尿病、肥満の方は血管が見つかりにくく難航します。
実戦練習を重ねると、血管に針を刺すことが得意だということに気づき、看護師さんや後輩の研修医から針刺しを頼まれるようになりました。ちょっと誇らしく感じたことを覚えています
循環器研修をしていたころは、鼠径部や腕の血管に太い管を刺す「心臓カテーテル」に夢中になり、針が血管に命中する快感を覚えました。
血がぴゅ~っと出てくるんです
当時は自覚していませんでしたが、私の針刺し好きはこの頃から芽を出していたのだと思います
美容医療を始めて20年以上経ちましたが、今一番好きな治療は「ボトックス」。針を刺す行為だけはなく、シワが伸び、表情が明るくなる結果に遣り甲斐を感じています。美容医療の中では、リスクが低いのに大きな効果を出せる素晴らしい治療です。針を刺す治療は医師でなければ許されない医療行為。医師免許を取得して本当に良かったと心から思える年齢になりました。
ボトックス治療を成功させるために必要なことは、以下の3つだと思います。
➀患者さんと医師の信頼関係
②豊富な経験
③センスと技術
表情筋の分布、強さ、年齢によって、かなり微妙に打ち方を変える必要があります。
教科書通りに注入しては、目が開きづらくなったり、不自然な表情になったりすることもありますので、注入部位や薬剤の濃度、注入量など工夫しながら一人ひとりの表情に合わせて治療します。自信を持って治療しても、まぶたが重くなったり二重のラインが狭くなったり、100%満足していただけないこともあります。私が診てキレイになった!と感じても、患者様ご本人の評価はいまいちだったり 高齢でシワ・たるみが強くなるほど治療は難しくなりますが、起こり得るリスクを説明して、納得頂けたら積極的に治療をお薦めしています。キレイになって喜ばれることの方が圧倒的に多いですから!
40歳過ぎると、表情の癖が固定化され、年寄っぽい表情になっていきます。眉間にシワが寄ったり、口角が下がったり、唇がすぼんだり。ボトックスで筋肉の収縮を伸ばせば、明るく元気な表情に変化します。リラックスした表情は周囲の人たちを安心させる効果もあります。20年以上続けている治療で、ここまで良いと感じるのですから、この素晴らしい治療をもっともっと多くの人に知ってもらいたい、経験してもらいたい!ボトックスを知らずに老化するなんてもったいないです。
美容医療を通して、当院での体験によって幸せを感じられる場所であり続けたいと思います。
コンセプト「ファンデーションに頼らない素肌づくり」は15年前から変わりません。
15周年のテーマは『清潔肌』
奈良で目にした国宝級の仏像たちは、丁寧に保管されていたおかげで、落ち着いた輝きを放っておりました。
結果の出せる美容医療で、いくつになっても皆様の「清潔肌」をお守りいたします。
2021年9月吉日
白金ビューティフルエイジングクリニック
院長 山口 麻子