院長ブログ


良医とは

私が医学部で学んだ時期は平成3年から6年間でだったが、医学に関する知識はしっかりと学んだと記憶している。

若かりし頃の私は、「名医になりたい」などと野心をもったものだが、恥ずかしながら「良医になろう」という医師としてあるべき姿をじっくり考えることはなかったと、今になって反省している。

実際臨床医を続けていると、患者さんの肌状態は個人差が大きく、同じ化粧品を使っても大丈夫な人もいれば肌荒れしてしまう人もいる。また患者さんの性格や育ってきた環境、考え方は千差万別であり、科学的根拠に基づく医療を一方的に押し付けるものではないと痛感している。

特に美容医療は命に係わる治療ではないため、患者さんの希望を察知しながら、しかし医療で可能なことを分かりやすく説明し、夢を持って治療を受けてもらうことが大切なのではないかと思う。見た目の若返りは、想像以上に喜びをもたらすので、治療結果に満足していただけることは、我々医療従事者にとって何よりも励みになる。

最近特に心がけていることは、キレイになれる可能性のある治療は、惜しまず伝えることだ。

美容医療は時間とお金のかかる一種の贅沢医療だから、「この患者さんにここまで治療を勧めてしまったら、かえって負担になるのではなかろうか?」などと、こちらの物差しによる勝手に憶測してしまいがちなのだが、それは慇懃無礼なことではなかろうか。

なぜならば、当院を受診する患者さんは、決して安くはない初診料を支払って、我々を美容医療のプロフェッショナルと頼って足を運んで下さるのだから、その意気込みは本気だと自覚しなければならない。それに見合った知識を経験を伝える責任がある。意識が高い患者さんが集まるから、スタッフ教育にも手を抜けない。スタッフにも本気で自己研鑽し成長するよう努力を続けてもらいたい。

私は患者さんの皮膚状態や表情、姿勢、しぐさ、声の響き、考え方などあらゆる角度から診察している。そして、だがあくまで私のスケールだが、「ここがもっとこうなったら、この人はもっと魅力的になるだろうに。」という極めて感覚的なセンスでアドバイスするようにしている。見た目の若さにこだわり過ぎないこと。細部にこだわり過ぎず、全体として捉えること。心をきれいにすること。明るい気持ちでいること。何より大切なのは“品”。この感覚が養われるには相当時間がかかった。若いころはそのようなセンスではなく、医学的にできることしか話していなかったように思う。未熟だった。

美容医療に正解はない。好きか嫌いか、そんなものだ。だからこそ、患者さんには自身のセンスにあった医師に診てもらうことが成功への秘訣なのだ。自分のセンスに自信がない人は、好きな医師なりクリニックに通うと良い。

今日も一日、特に不幸を感じることなく、平穏無事に過ぎていったことに感謝する。オリンピックチケットは落選してしまった!