院長ブログ

肌断食より見えてくるもの

15年前、北里研究所病院に勤務していたころ、スキンケアのやり過ぎで皮膚のキメが消失しテカテカになっている人がたくさんいました。

最近、そこまで皮膚が薄くなってしまった人に出会うことは少なくなりましたが、反対にゴワゴワになってしまったというお客様によく会うようになりました。

当院には『お化粧品を止めて素肌をキレイにしたい!』という明確な目標がある方が来院されます。

これは著書『化粧品にたよらない素肌美人のつくりかた』の影響です。全国から来院されます。

「肌断食をしているけれど、これで本当に大丈夫かしら?」という方が、現在の肌状態を知りたくて来院されます。

化粧品を止めたらどうなるか? だいたい以下の2パターンに分類されます。

1)「肌断食をしたところ、化粧品をたくさん使っていた時と変わらなないから必要なかったということね!」
・・・これは肌ダメージがあまりなかった人です。ラッキーです。

2)「肌断食をしたら皮膚がガサガサになって赤くなって(ひどい人は痒くなって)大変!」
・・・これは今までに受けた肌ダメージが強すぎる人です。程度の差はありますが。

化粧品をやめたら肌が悪化した人たちに共通することは、過剰なスキンケアを長年続けていたことです。
長年というのは10年以上です。
そして、ビニールのような光沢のある薄い皮膚になっていたということです。

最近は化粧の低年齢化もあり、早い人だと10代から塗りまくっているケースも。若いから興味もあるのでしょう。
塗りまくって塗りまくって、「あれ、何かおかしい。化粧品が合わなくなったわ。」と気が付くのが30代。
肌の老化を感じるのも同じ頃。
これはまずいと肌断食をしてみたら、角質がごわごわになってあら大変!赤みも出て、このままでは外出できない!
でも、お化粧品に戻ったところで納得のいく肌になるわけではない。どうしましょう・・・

理解力のある方で、長い目で物事を捉えることが出来る方は、1年間化粧品を止めて耐えてみたという人もいらっしゃいました。
そうしたらだいぶ良くなったとか。その根性、尊敬します。

その後、当院に通って頂いている方は、分厚い角質(ごわごわ)は改善し、皮膚の炎症も落ち着いてきています。
当院ではレーザーピーリングを行います。
このピーリング力が凄い!

先日、ごわごわした角層にミネラルファンデーションが絡み付き、石けんでもクレンジングでも落とすことができないという症例に出会いました。
さあ、困った・・・
レーザーを照射すると、ファンデーションの金属成分と反応してバチバチと激しい音が出ます。
こんなに残っていたら難しいな・・・
と思いながらも、レーザーを当ててみました。
すると、びっしりこびりついていたミネラルファンデが角層とともにきれいにピーリングされました。
クレンジング剤よりもよほど汚れが取れます。しかも擦らずに。
レーザーピーリングのパワーを感じました。

それにしても、長期間に渡る化粧品の過剰使用によりいかにお肌を傷めているか!という事実が問題です。

10代からのスキンケア教育の必要性を感じました。いや、赤ちゃんからですね。
適度なUVケアだけしていれば十分なのです。
化粧水も乳液もファンデーションもクレンジングもパックも不要です。
タオルやスポンジで擦るのもダメです。

中高年になっても、元気な素肌で過ごせることがどれだけ貴重なことでしょうか。