日本人に多いシミ「肝斑」
隠れ肝斑も含めると、日本人女性の70~80%に認めると言われています。
この憎き肝斑への救世主が「トラネキサム酸」であります。
トラネキサム酸(商品名:トランサミン)は、薬局でもトランシーノという商品で販売されています。
トラネキサム酸は、1960年代から医療現場で薬として処方されています。病院では、抗炎症・抗アレルギー作用があるため、風邪などに伴う扁桃腺炎・咽頭炎の治療のために使われたり、止血剤として出血を抑えるために使用されています。
市販の風邪薬にも含まれている成分です。
このトラネキサム酸を慢性蕁麻疹の患者さんに投与したところ、たまたま併発していた肝斑が改善されたという報告が1979年に日本で発表され、それ以降肝斑の治療にトラネキサム酸が使用されるようになりました。もちろん保険適応外です。
このような発見をされる医師は素晴らしいですね。
そのおかげで、今や肝斑で悩む女性にとってトラネキサム酸内服とハイドロキノン外用剤は必須で、肝斑をだいぶ薄くすることができるようになりました。
先月の美容皮膚科学会では、「肝斑患者115例に1日2回朝・夕食後に8週間経口投与したところ、改善率70.2%で、1日3回内服と比べても同等の効果がある」という報告がありました。
先日も結構目立つ肝斑の患者さまが来院され、トラネキサム酸とビタミンCクリーム・ハイドロキノンクリームを処方したところ、1か月後には目に見えて薄くなっていました。
肝斑を薄くするのであれば、内服と外用剤だけでも十分効果があります。
残念ながら20%程度の人には十分効果が見られないこともあり、その場合はQ-Nd YAGレーザーを併用します。
しかし、純粋な肝斑だけの肌というのはほとんどなく、小さな老人斑やソバカスが混在しているケースが多いので、肌の質感とハリの向上させるためにも、Q-Nd YAGレーザーは治療の基本として捉えています。
肝斑の発生原因は3つあります。
1.スキンケア・・・お化粧品を擦り込んでいませんか?
2.ホルモンバランス・・・肝斑は30~40代女性に多いシミで、妊娠中に悪化します。
3.紫外線・・・夏は濃くなります。UVケアに気を付けてください。
私もトランサミンを内服しています。
肝斑はありませんが、内服すると顔色が良くなる気がします。