院長ブログ

謹賀新年「忠恕」

皆様、お正月はいかがお過ごしでしたか?

私は年が明けて、比叡山延暦寺へ向かいました。

何年か前に学会帰りに立ち寄った際、仏教のパワーに圧倒されて興味を持ち始めたきっかけが比叡山延暦寺でした。

今回は宿坊に宿泊

琵琶湖が一望できる静かな山奥です。

精進料理を食べ、お布団は自分で敷きました。

贅沢なホテルや旅館と比べると、ミニマムで無駄のないサービスが清々しいとさえ感じます。

とにかく人が少ないのが最高の贅沢

翌朝早朝から朝のお勤めに参加。

毎日毎日お坊さんはお経を唱え続けます。

延暦寺では、年初に1年の言葉を発信しているとのことで、令和6年は「忠恕」です。

誰に対しても真心と思いやりを忘れずに、という意味です。

論語に出てくるこの言葉をとても大切にしていたのは渋沢栄一。

今年は、クリニックの必須図書に「論語と算盤」を選んだので、何とも偶然ではありませんか。

真心って何でしょうか。偽りや飾りのない心ということですが、どうも私にはピンときません。

「忠」は「中の心」と書きますね。

それは偏りのない心という意味だそうです。

よって忠恕は、公平に人を扱い、愛と慈悲の心を持って接するということになります。

言うは易く行うは難しーーーーー

偏見と差別でモノを見がちな自分を反省しつつ、忠恕・忠恕・忠恕と念仏のように唱えています。

 

比叡山を後にして向かったのは、「大江山 行く野の道の遠ければ まだふみもみず天橋立」

小学生の頃、百人一首で知った天橋立です。

予想通り、風光明媚な場所でした。

そしてさらに北上して伊根の舟屋

 

こちらは古き良き時代を感じられる、日本らしい景色です。

日本版ヴェネチアと言ったところでしょうか。

日本海側京都北部は、過疎化は否めないものの、日本の観光資源の宝庫のような場所でした。このような日本らしい風景を大切に守りたいものです。

 

これからの旅は、いかに人込みを避け、静かな場所で心豊かな時間を過ごすことが大きなテーマです。

歴史好きな私としては、古代史や神社仏閣など絡めて旅を続けたいと思います。

そして旅で感じ取ったことを、必ず仕事に活かして参ります。

 

本年もよろしくお願い申し上げます。

 

2024年1月7日 自宅にて

忠恕を唱える山口麻子