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60歳からの肌断食

60歳からの肌断食

肌と女性のライフステージ

老年期

老年期の肌

女性は50代半ば以降になると、女性ホルモンのうち卵胞ホルモン(エストロゲン)の分泌が失われ、ホルモン的には女性と男性との差はほとんどなくなります。

そのため、骨粗鬆症や、今まで男性に多かった生活習慣病(高血圧・脂質異常症・糖尿病)にもかかりやすくなります。

また肌の状態は、潤いを保つための天然保湿因子(皮脂膜、アミノ酸などの天然保湿因子(NMF)、セラミドなどの細胞間脂質)減少による保湿機能が低下することにより、皮膚が乾燥します。

皮膚に浅い亀裂や白い粉がふく鱗屑が生じ、掻痒感を伴う老人性乾皮症という症状に悩む方も多く、高齢者の約95%が老人性乾皮症と言われています。

肌断食のはじめ方

今までスキンケア化粧品をシリーズでたくさん使用してきた方が、急に肌断食を始めると、乾燥して肌荒れを引き起こす場合があります。

それまでの肌ダメージもありますが、天然保湿因子の不足により、ワセリンで肌表面を保護するだけではカサカサとした角質層のめくれが目立ってしまいます。

美容液やクリーム等による人工的な被膜がなくなるため、急にシワが増えたと感じる方も少なくありません。

また、今までの習慣を変えること自体をストレスに感じ、周囲の理解を得られないことへの不安などから、60歳からの肌断食はなかなかハードルが高いのが現実です。

最終的なゴールは、必要な時だけワセリンで保湿をするスキンケアですが、まずは使用アイテムを、「化粧水+ワセリン(クリーム)」まで減らしていきましょう。

クレンジングが必要なメイクをやめ、肌にファンデーションなど何も塗らない場合は石けんも必要ありません。

洗顔温度や入浴温度も高すぎないよう、また、シャワーで顔を流すことも刺激になるため控えましょう。

顔と同様に身体も、石けんは基本的に使用せず、たわしやナイロンタオルなどの物理的な摩擦を避け、手で優しく洗います。

ワセリンは、乾燥しやすい唇や手はもちろん、かかとや肘、膝など全身に使用することができます。

そのようにケアしていくにつれ、だんだんと自分の保湿機能が回復すれば、ワセリンだけのスキンケアに切り替えていくと良いでしょう。

参考文献

  • 千葉市医師会
  • 健康長寿ネット
  • 『化粧品に頼らない素肌美人のつくりかた』 (著)白金ビューティフルエイジングクリニック院長 山口 麻子
     主婦と生活社(2015)