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柔軟剤に含まれるプラスチックとは?

柔軟剤に含まれるプラスチックとは?

肌と環境因子

肌と洗剤

コマーシャルやドラックストアなどで見かける“香り長持ち柔軟剤“ですが、皆様はどのように香りが長持ちしているかご存知でしょうか。

10年程前から海外製品より始まったと言われる柔軟剤の香りブームだそうですが、この香りを持続させる機能を持つ柔軟剤の構造は大きく2種類あります。

ひとつは人工香料です。
これは石油から作られるもので、常温で揮発し揮発性有機化合物(VOC)に分類されます。

もうひとつは人工香料をマイクロカプセルで包んだものです。
マイクロカプセルとは石油から作られたプラスチック樹脂です。

本来、柔軟剤の香り成分は揮発しやすくすぐに消えてしまいますが、その香りを長持ちさせるために開発された技術がマイクロカプセルです。
このマイクロカプセルが服を触ったり、外部からの刺激によって壊れることで少しずつ香りが出てくるという効果で、香りを長持ちさせているのです。

これらはPM2.5と同程度のサイズで存在し大気中に漂い人体へ吸収されます。

また人工香料、マイクロカプセルとともに家庭排水として下水処理場に流れ込みますが、これらはプラスチックで分解されにくいため6割以上が土壌や河川、海に流出するそうです。

2019年の東大の研究では、首都圏河川で漁獲されたヤマトシジミから柔軟剤と同じ組み合わせの人工香料とマイクロカプセルが検出され、柔軟剤起源の人工香料が環境中に拡散していることが明らかになりました。

このように海洋プラスチック汚染により人体へマイクロプラスチックが蓄積していることが知られていますが、この柔軟剤の中のマイクロカプセルも原因のひとつです。

その数は柔軟剤のキャップ一杯につきおよそ1億個だそうです。

さらに近年マイクロカプセルは農薬や除草剤、化学肥料などの農業用資材にも使用されています。有効成分をマイクロカプセルに入れることで、徐々に放出され効果が長続きするのです。そのため「一発除草剤」と呼ばれる一回の散布で効果が持続するタイプが主流になっています。

柔軟剤も農薬や除草剤も、マイクロカプセルが包んだ成分を放出した後も環境中に残ります。使用時に皮膚や空気から吸収するだけでなく、土壌や水源、大気などの自然環境経由でも吸収され大きなリスクになると言われています。もちろんリスクになるのは人間にとってだけではありません。共に地球上で生きる動植物などにとっても同じように影響があるでしょう。

私たちは日々いろいろな物を作り生産して暮らしています。
それらはいずれ微生物などによって、分解され、小さな粒子となって、さらにそれが植物の栄養へと変わり、私たちは食べるという行為をし、生きています。

ところが現代はこのような分解されないものが、私たちの身の回りに溢れています。
人間の素晴らしい科学技術によって、安全に使用できるような香りづけの技術が開発されることを願います。

そして、私たちにできることはごく僅かとは思いますが、肌ルネ式スキンケアで化粧品やシャンプーを使用せず、なるべく生分解性が高い製品を使用することで、少しでも環境負荷を減らすことができればと思います。