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経皮吸収ってなに?②

経皮吸収ってなに?②

肌と化粧品

経皮吸収

前回は、物質が身体に吸収される4つの方法をご紹介しました(経皮吸収ってなに?①)。
経皮吸収について、もう少し詳しくご説明します。

経皮吸収の3つのルート

経皮吸収は主に、角層からのルート、毛穴や汗腺などを経由する付属器ルートがあります。

角層からのルートは、角質細胞と角質細胞の間に入っていく細胞間隙ルートと、細胞に直接吸収される細胞ルートがありますが、一般には、細胞間隙ルートが主と言われています。

(*『化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学』 より引用)

細胞間(隙)脂質には、脂質とあるとおり普通の水では、水分をはじいて吸収していきません。しかし、シャンプーなどの洗浄剤には界面活性剤が含まれているため、簡単に細胞間脂質の間をすり抜け、体内に吸収されるのです。これはクレンジング剤などでも同じことが言えます。

経皮吸収しやすい部位

さらに経皮吸収は、身体の部位により、吸収されやすさが変化します。
顔、首、陰部などは吸収がよく、逆に手のひらや足裏は吸収しにくくなっています。
これは、身体の部位によって角質層の厚さが異なることと、毛量が多い部位は先に説明した付属器官ルートが利用されやすくなることが要因として考えられます。

腕の内側を1としたときの各部位の吸収率は、頭で3.5倍、わきの下は3.6倍、背中は17倍!手のひらは0.83倍、かかとは0.14倍と言われています(*『見てわかる!経皮毒』より )。

皆さまは、シャンプーや石鹸が目に入り目が痛かった経験はありませんか。
これはシャンプー剤や石鹸の成分が目の粘膜から吸収されたためです。

また、塩シャンプーをなさった方より、しょっぱかったという感想をお伺いしました。
これは、シャンプーは頭皮からだけではなく、微量ですが、口腔内粘膜からの吸収もあるという事でしょう。

さらに、シャンプーをやめて背中のニキビが良くなったという方も多いです。シャンプーが背中に残存し、炎症を引き起こしているということですが、経皮吸収もされていると考えた方が自然です。

このように、髪や頭皮だけではない部分にも影響をすることを考えると、脱シャンプーまでいかなくとも、少しでも使用頻度を減らすことも十分に身体にとって安心できる要素になるのではないかと思います。

参考文献

  • 『化粧品・外用薬研究者のための皮膚科学』 編著 宮地 良樹/長沼 雅子  文光社 (2005)
  • 『見てわかる! 図解 経皮毒』著 山下 玲夜 日東書院 (2006)