院長ブログ

情緒

私の子供時代は、少々情緒不足だったように思う。

兄と私はピアノを習っていたが、兄はショパンを上手に引いていた。

私はベートーベンの曲が好きで、重苦しい重厚感に酔いしれていた。

作文集を読むと、解説文のようで、実に色気がない。

曖昧さよりはっきりとした結果を好むタイプ。

フランス語よりドイツ語。

恋愛小説よりアクション好き。

こんな私でも、40年以上生きて様々な経験を積むと変わるもので、今現在は少し情緒の芽が出てきているように感じている。

(性格診断をすると、プロモーターという感情豊かな部類に入っている!)

しかし、論理的な根っこの部分はそう簡単に消えはしないもので、質実剛健体質が好きな部分も隠し得ない。

 

今夜、久しぶりにピアノを弾いてみた。ショパンのワルツの楽譜を引っ張り出し、小中学生の頃弾いたことのある曲をなぞってみた。

指を動かし続けていると、何となく思い出すもので驚く。

子供の頃は、圧倒的な経験不足からくる情緒欠損だと思った。

今の私なら、もっと気持ちを込めて複雑な音を奏でることができそうだ!

少し練習してみようかしらという気になる。

 

それにしても、10代の若さで卓越した表現力を持つアーティストなりアスリートには驚かされる。

超人的な努力の先に見えるものなのだろうか。

 

人生後半は、もっともっと感情豊かに、人生哲学を楽しみたいと思う。