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春の肌荒れから考える環境問題―黄砂①

春の肌荒れから考える環境問題―黄砂①

肌と環境因子

肌と土壌

毎年春先は肌が荒れてしまうという声をよく伺います。
花粉や黄砂など、現代におけるアレルギー因子は種類も多く、それが複数重なるのが春先なのかもしれません。
今回は古くから春の季語でもある黄砂がなぜ現在肌荒れと関係していると言われているのか、また環境問題の視点からも黄砂を考えてみたいと思います。

黄砂とは

黄砂は中国の黄河流域や砂漠など黄土地帯から偏西風によって砂塵が運ばれてくる現象です。
黄砂の発生地は、冬の間降水量が特に少なく植物も枯れて土壌がむき出しになった状態です。冬は高気圧で覆われ、砂塵を巻き上げるような強い嵐が発生することがあまりないのですが、春になり気温の上昇とともに上空に低気圧が発達し、地表の固い凍土が溶けて大規模な砂塵嵐が次々起こります。夏になると気温がさらに上昇し、日本付近では太平洋高気圧が発達することから、西からの大気の動きをブロックするようになることと、黄砂の発生源でも嵐の頻度が減っていくことから4月ごろをピークに徐々に落ち着いていきます。

黄砂による環境汚染

近年は黄砂を分析すると、土壌起源ではないと考えられるアンモニウムイオンや硫化イオン、硝酸イオンなども検出されることから、日本に飛来するまでの間で大気汚染物質を取り込んでいると言われています。
また風によって大気中に舞い上げられた黄砂は、発生した地域周辺の農業や生活環境に被害を与えるだけではなく、大気中に浮遊したものが化学変化を起こし、雲を発生させ雨を降らせ、海を含む地球全体の気候にも影響を及ぼしています。
中国黄土地帯に見られる黄砂は約4ミクロンの微粒子です。
この大きさはスギ花粉の直系のおよそ10分の1と言われています。
そのため舞い上がりやすく、ダニやカビなどを付着させながら気流に乗って日本へと飛来しています。さらに飛来してくる過程で、だんだんと粒子が細かくなり、2.5μmの大きさ以下になるとPM2.5と呼ばれ、近年では毎朝の天気予報でも、飛散量が多い日には注意が呼び掛けられるようになりました。

参考文献