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化粧品の水分と皮膚内部の水分の違い

化粧品の水分と皮膚内部の水分の違い

肌と化粧品

香粧品関係

保湿の意味

化粧品の宣伝文句でよく耳にする浸透して保湿するという言葉。これはどのような意味なのでしょうか。
保湿とは、「水分や油分をたっぷりと皮膚内部に浸透させること」と思いがちですが、実はそうではありません。
本来保湿とは、皮膚内部の水分が蒸発しないように、肌のバリア機能をサポートし、角質層から蒸散する水分量(経皮水分蒸散量)をいかに少なくしていくかが重要となります。

この経皮水分蒸散量は、どんなに化粧水で水分を浸透させて、クリームなどの油分で蓋をしても、少なくなりません。
それは、化粧品に使用されている水分は、皮膚内部の水分とは異なるものだからです。

角質層の水分とは

角質層内の主な水分は、天然保湿因子の分子に結合している『結合水』と水道から流れるような水の形態をした『自由水』の2種類の状態で存在しています。

『結合水』は皮膚自身がつくりだしており、真水とは全く異なり、様々な種類のアミノ酸やタンパク質の分子が結合していたり、電解質の形で存在しています。
そのため、肌を潤すことができるほか、皮膚内部の水分蒸発も少なく保つことができます。

また、自由水は摂氏0度以下で凍りますが、結合水は凍りません。北極に行って鼻水や涙は凍っても、皮膚内部の水分は凍らず、素肌を出していられるのはそのためです。
北極で笑ったら皮膚が割れちゃった!となったら大変です。

しかし、自由水でできている化粧水や保湿剤は、皮膚に残れば同じく自由水である雨と同様確実に蒸発します。しかも、雨に濡れた紙のように乾いていく過程で角質がめくれあがって蒸発していくために、肌触りがカサカサとします。
また、蒸発していく過程でめくれあがったり浮き上がったりした角質の隙間から皮膚内部の水分がさらに蒸発していきます。

『化粧水をぬったあと30秒以内にクリームなどで蓋をする』などというのは、めくれ上がった角質が水分で十分にふやけて、しっとりと戻った上に保湿剤を塗り、水分が蒸発する速度を遅くしているにすぎません。

お肌が強い方でしたら良いのですが、乾燥肌やニキビ肌など、何かしらトラブルを抱えた肌の方がこの繰り返しをすることで、肌のバリア機能が正常に働かず、トラブルの悪化を招く可能性もあります。
保湿化粧品の塗り過ぎは、かえって肌の保湿力を低下させることもありますので、適量使用したいものです。

参考文献