Deep River
この世の中には偶然というものはなく、必然なのではないかと思うことがある。
脳出血で倒れた母を残して、自分自身でも良く分からないけれど見つけたい・感じたい何かを求めてインドへ旅立った。
インドの不衛生さにより体調を崩し、光を見ることなく帰国したけれど、石に包まれた宝石を掴み取って来たようだ。
帰国後、日ごとにその覆われてた石が剥がれ落ち、どんどん輝いていくのが分かる。
一緒にインドを旅した仲間の一人から、「遠藤周作の『深い河』を読みました。とても良かったので是非読んでみて下さい。」とコメントがあった。
気になることはすぐにメモをするようにしている。
翌日、日経新聞の<名作コンシェルジュ>欄に、宇多田ヒカルさんの「DEEP RIVER」が紹介されていた。
なんとこのタイトル、遠藤周作の小説『深い河』に触発されたとのこと。
あれ!昨日聞いた本だ!
すぐにAmazonでポチり、翌日届く。
日本って素晴らしい国だ。
小説の内容は、登場人物がそれぞれの人生に刻み込まれている傷跡を背負って、その傷跡を残したものを探すためにインドガンジス河までの旅に出かける話。
私はガンジス河には行っていないが、まるで見たことのある光景のごとく、生々しくイメージできたのはインド旅行の直後だからだと思う。
人々の苦悩、宗教観、愛について深く考えることができる良書であった。
私も墓場まで持っていきたい経験はいくつかある。
それを封印してきたが、この本を読んで、無意識にその傷跡を思い出すことになった。
その傷跡に向き合うことで、何か新しい光は見えるのだろうか。
そんなことを考えている。
