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肌理について考える

肌理について考える

診察室徒然日記

「肌理(きめ)」という言葉があります。
わたしはこの業界に入る前より“肌理”という字が好きです。
綺麗な字だなあと思います。

わたしたちは毎日マイクロスコープで患者様の「肌理」を診ていますのと、日々何かと使用している言葉ですが、実は「肌理」は常用漢字でないため、なじみのない方もいらっしゃるかもしれません。通常ひらがなで書かれている場合も多いです。

今回は「肌理」の意味を調べてみました。

皮膚表面には、細かい溝「皮溝」と溝に囲まれて丘のように高くなっている部分「皮丘」、そして皮溝が交差しているところに毛穴があります。
皮溝の幅や深さ、皮丘の大きさやふっくらさ、毛穴の状態はその方によってそれぞれ違っており、これをわたしたちは「きめ」と言っています。

広辞苑で引いてみると以下のように記載されています。

きめ【木目・肌理】

  1. 木目(もくめ)。木理。
  2. 皮膚の表面のこまかいあや。「―の細かい肌」
  3. 物の表面に現れたこまかいあや。手ざわりの感じ。文理。
*広辞苑第7版より

「きめ」は、もともと木の板の表面に現れる模様(もくめ)が細かいことを指すという意味でした。それが転じて、肌などの細かなあやや、手触りについても使用されるようになったのです。

また、「理」とは中国哲学の概念です。
本来「理」とはその一字で、掘り出したままで、まだみがかれていない玉をさすあらたま(璞)を磨いて、美しい模様を出すことを意味しているそうです。それが派生して、「ととのえる」「おさめる」「すじ目をつける」といった意味から、物事の筋目や道理、不変の法則などの意味として使われるようになりました。

かの北大路魯山人は、“料理とは理(ことわり)を料(はか)ることであるため、不自然な無理をしてはいけないのである”と説きましたが、肌理は肌の理ですから、不自然なケアをするとその理が崩れ、肌荒れを引き起こします。
「肌理が整っている」また、「きれいな肌理」ということは、普遍的な自然の理に従っているということなのかもしれません。
料理と同様に肌も、不自然な無理をしてはいけないのです。
しかし、不自然な無理がどういうことが分からなくなるのがこの世の中です。
肌ルネではこれからも肌の理を追求していこうと思います。