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理想の肌をつくる角質層の仕組み

理想の肌をつくる角質層の仕組み

肌と化粧品

香粧品関係

肌の基本構造

肌は、皮膚の表面を覆っている薄い表皮(平均0.2ミリメートル)と、その下にある分厚く丈夫な真皮(平均2ミリメートル)との2層から成り立っています。
表皮の厚さはわずかラップ1枚ほどの薄さですが、ここには表皮細胞が5~10層、重なるように並んでいます。

理想の肌をつくる角質層の仕組み

表皮の表面部分には角質細胞という六角形や五角形の死んだ細胞の層が10層ほど並んでいる角質層があります。
マイクロスコープで見ていくのは主にこの部分で、化粧品が浸透しやすい部分もこの角質層の0.02ミリメートルの深さまでです。

角質層の細胞と細胞の間には、脂性の「糊」のようなものがあり、細胞同士をしっかりとつなぎ合わせています。これを細胞間脂質といい、その主成分のことをセラミドと言います。

角質細胞と細胞間脂質は、「レンガ」と「モルタル」にたとえられます。
角質細胞である「レンガ」を細胞間脂質の「モルタル」がしっかりとつなぎ合わせ、幾重にも積み重なって、異物が入らないよう丈夫なバリアを形成しています。

また細胞間脂質の中も、水と油の層が幾重にも交互に重なり合っており、レンガとモルタルと同様、こちらもバリア機能として働きます。

この2つの構造が肌の表面をラップのように覆うことで、体内の水分蒸発を防ぎ、乾燥から肌を守り、さらに外部からの化学物質から守ることができるのです。

バリア機能の材料

これらバリア機能の材料となっているのが水溶性の保湿因子である天然保湿因子と細胞間脂質のセラミドを主成分とした脂溶性の保湿因子です。

レンガとしての役割の角質細胞は、表皮細胞が死んだものです。
表皮細胞の中には細胞核などの色々な物質が含まれており、それらが死んだのちに変化したものがアミノ酸を主成分とした天然保湿因子です。

また、モルタルとしての役割の細胞間脂質の中身も、はじめのうちは未熟ですが、角質細胞とともにターンオーバーで表面へ押し上げられるにつれて熟成し、セラミドやコレステロール、遊離脂肪酸を含むしっかりとした脂溶性の保湿因子へと変化していきます。

このように、水溶性の保湿因子と脂溶性の保湿因子が組み合わさり、ターンオーバーにより垢となって剥がれ落ちる数日前に、最大の保湿力をもつまでに熟成されます。

この熟成が甘いと、ターンオーバーが早すぎてバリア機能が保てず、外的な刺激に弱くなり乾燥しやすい状態となります。
また逆に洗顔不足により垢がたまりすぎると、そこに皮脂や石鹸カスなどの酸化した汚れがからみ、炎症する可能性もあります。

持続可能なスキンケア

このため、理想の肌をつくるためには、肌のバリア機能を正常に保ち、肌内部の水分蒸発を防ぐことと、適切な洗顔により、落ちるべき汚れや角質を落とすことが重要です。

これらの保湿因子はどんな人にも備わっており、あらゆる化粧品にも代用できない最高の保湿成分です。この天然保湿成分を洗い流さないよう温存するシンプルスキンケアこそ、持続可能なスキンケアと言えるでしょう。

参考文献