2美容皮膚科医の私も20年間、肌断食中。
身軽になって幸福感が得られました

山口院長

白金ビューティフルエイジングクリニック院長 山口麻子

私は美容医療の専門家。でもお化粧品は使わない

私は美容皮膚科医です。分かりやすくいえば、女性を“キレイにするための医療”の専門家。
最新レーザー治療でシミを薄くしたり、ボトックス注射でシワを目立たなくしたりといった医療を日々行なっています。

美容医療専門というと、一般的には「ばっちりメイクしてそう」というイメージがありますよね。むしろ、お化粧品を推奨している側の印象も強いと思います。

その印象を裏切るようですが、私は全くの逆です。
お化粧は15年前にやめました。

“肌断食”という言葉すらなかった時代に、私はお化粧品をやめる肌断食を1人で始めたのです。
それ以来、お化粧品を使わなくなったばかりか、約10年前には、シャンプーやトリートメントを使うのもやめました。
私自身が“美”について深く思考し、本質を見極めた結果の決断です。

私も、20代の頃はお化粧が日課でした

私がお化粧をやめることになったきっかけは、20代後半に北里研究所病院で美容外科・美容皮膚科研修を受けたことです。研修の中で、どんなに美容外科的な手術を施しても、お肌がキレイでなければ美しさが引き立たないと気が付いたのです。美意識の高い女性ほどスキンケアをやり過ぎる傾向があり、かえってお肌を痛めていることも知りました。

そこで、そのような女性たちに洗顔を含めたお化粧品の使用を控えてもらうよう指導したところ、お肌のキメがみるみる回復していくのを目の当たりにしました。

キレイになりたくて使っているお化粧品がかえって肌を痛めていることに衝撃を受けた私は、「お化粧品ってなんだろう?」という疑問から、独学でお化粧品について学びはじめました。

その結果わかったのは、お化粧品は界面活性剤、保湿剤、シリコン、防腐剤など、何種類もの肌に本当に必要かわからない化学物質で構成されているということ。このような不気味なものを肌に塗ること自体に疑問を持つようになりました。そうして少しずつお化粧品を減らしていったところ、最初の数年はお肌の乾燥に悩まされたものの、結果的に何も塗らないスキンケアに到達することができたのです。

私のスキンケアはとても簡単。例年5月から11月頃までは洗顔は水洗いのみで保湿剤は何も使わず、冬の間だけ少量のワセリンを塗ります。日焼け止めは必要な時だけ。
いつも素肌なので化粧崩れの心配もありません。

私のクリニックのスタッフも全員肌断食をしており、患者さんも半数以上はファンデーションを塗っていません。

肌断食で得られる本当の価値

お化粧品を使わない生活は、私にとって快適そのものです。何も塗らなくても不都合がないばかりか、毎日がさらに充実しはじめたからです。

具体的には、普段の生活で決断する際に、本質がどこにあるのかを常に考えられるようになりました。お化粧にかけていた時間やお金を家族や友人など大切な人たちと過ごすために使うなど、人生で本当に大切なことを吟味して、選択できるようになったのです。

「幸せになるためにお化粧は必要不可欠ではない」ということを私は肌断食で知りました。お化粧は、あくまでも自分をよく見せようとするセルフプロデュースの一環に過ぎません。お化粧をするか、しないかは大した問題ではなく、自分の人生で本当に大切なことを見極めて、それを全うすることが何よりも大切なのです。

ちなみに、私はすっぴんでいることで周りの人に嫌がられたことはありません。クリニックの患者さんは増えましたし、2015年に書籍を出版してからはお化粧品をやめたいという女性がさらに集まるようになりました。今まで、信頼のおける家族からも「お化粧をしたほうがいい」と言われたことは一度もありません。「お化粧をしなければ社会人失格」とか、「お化粧をしないのは女を捨てている」なんて真っ赤な嘘なのです。

このように、肌断食で得られるのは単なるお肌の美しさだけではありません。肌断食を通して、物事の本質を見極め、自分の意志で人生をよりよいものにする力が身につくのです。このような好循環こそが「素肌ルネサンス」です。
私が肌断食を皆さんにおすすめする理由は、まさにここにあります。