1肌ルネしようよ!お化粧品を使わない【肌断食】こそ、素肌の健康と美しさを復活させる真のスキンケアです

山口院長

白金ビューティフルエイジングクリニック院長 山口麻子

肌断食とは?足し算の美容から引き算の美容へ

時代が大きく変わり始めています。
お化粧中心の“足し算の美容法”から、ナチュラルな美しさを引き出す“引き算の美容法”へ。
素肌(すっぴん)を健康的で美しくするために、お化粧品たっぷりのスキンケアやメイクをやめる「肌断食」を実践する人が増えているのです。

肌断食とは、お化粧品をやめたり減らしたりするスキンケア法のこと。肌断食によって浮いた時間やお金をより有意義なことに使い、人生を充実させようとする生き方を私は「素肌ルネサンス(略して肌ルネ)」と呼んでいます。

皆さんの中には、こんな経験をされた方、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。
「入念にスキンケアしても肌荒れが治らない…」
「お肌に合うお化粧品を探し続けて、数がどんどん増えていく…」
「お肌が不調続きで、買い換えるお化粧品がどんどん高額になっていく…」

でも、これって実は普通のこと。
強靭なお肌の持ち主ではない限り、お化粧品でお肌が荒れることはよくあります。お化粧品はお肌にとっては異物であり、刺激物にほかならないからです。
これまではお肌の不調の原因がまさかお化粧品にあるとは知らずに、高級化粧品で治そうとスキンケアをしていた人が多かったのです。

この文章をお読みの皆さんはすでにお気づきですよね。お化粧品でお肌はキレイになりません。
お化粧品は、化学物質の混ぜ物でお肌にとっては異物であり、たとえ美肌成分が含まれていようとも、お肌の奥深くには浸透しません。

お化粧品の負の面が知られるにつれて、本当にお肌のためになるシンプルなスキンケアを選択する人が増えた結果、肌断食が脚光を浴びつつあるのです。

この流れは、美容医療の専門家でもある私自身とてもうれしいことですし、今後さらに加速するはずです。さあ、みなさんも一緒に肌ルネをはじめましょう。

お化粧品の役割とは

肌ルネをはじめる前に、まずはお化粧とはいったい何なのかということを知っておきましょう。
お化粧品は、歴史的には信仰や魔除けのために使われたようですが、ほどなくして、“見た目の美しさ”を具現化する道具としても使われるようになりました。
日本では、1400年以上も昔、聖徳太子が活躍した飛鳥時代から白粉(おしろい)が使われた記述もあるようです。
つまりは、人間が美しさを表現する中で、お化粧品は進化してきたのです。

さらに、素肌そのものを美しくする目的で開発されたのがスキンケア化粧品。大半のスキンケア化粧品は、油分や水分などお肌に足りないものを補ったり、美容成分を加えたりして、お肌の健康美を保つというコンセプトですよね。以前は皮膚科医もこぞって推奨していました。

最近は、スキンケア化粧品に含まれる成分はお肌に浸透せず、しかもお肌への刺激が強いため、使いすぎると逆に肌老化や不調の原因になりうるとわかってきています。
お肌にはバリア機能があり、自己保湿能力を持っています。「細胞間脂質」「天然保湿因子」「皮脂膜」が3大保湿因子ですが、お化粧品を使いすぎるとその働きが低下するのです。
お肌をキレイにするためのお化粧品でお肌の健康美が損なわれるなら、それは本末転倒ですね。

肌断食に挑戦しましょう

断食とは本来、食事を断つことで免疫力を整えたり、体に溜まった毒素を出したりするのが目的。
肌断食も同じで、お化粧品をやめる(減らす)ことで、お肌への刺激を減らし、素肌本来の健康的な美しさを保つ働きを取り戻そうとする狙いがあります。

さあ、挑戦しましょう。
お化粧品に頼らない生活へ。

私が「素肌ルネサンス」という言葉を使っているのは、肌断食によって素肌の健康美を取り戻せるのはもちろんのこと、生き方をも変えて精神をより豊かにできることに気づいたからです。

ルネサンスはもともと“再生”という意味。皆さんの中では14世紀にイタリアを中心に起こった芸術の復興運動の印象が強いかもしれません。誤解を恐れずにいうなら、あのルネサンス期によって人間らしい生き方が模索されたのと同じような価値が肌断食にはあると思っています。

肌断食をすることによって、「お化粧品=美しくなるための必需品」という物質主義に偏りすぎた社会を見つめ直し、私たち自身が「健康とは何か」「幸せとは何か」を自分の頭で考え、行動することができるようになるはずです。

さあ、素肌ルネサンスを起こしましょう。次はあなたの番です。