クロアチア旅行
しばらく旅に出ていました。
今回の旅行先は「スロヴェニア・クロアチア」です。
何故クロアチア??
とよく聞かれますが、まだ行ったことのない場所に足を運んでみたいことと、旅慣れた人たちからの評判の良さから選んでおります。
地図でおさらいしておきますと、クロアチアはアドリア海に面した細長い国で、イタリアの東に位置しております。
歴史は複雑で、古代ローマに支配されていたこともありますし、クロアチア王国として独立したこともありますし、中世はハプスブルグ帝国の支配下になったり、オスマン帝国から攻撃されたり、ナポレオンが攻めてきたり、、、
近代ではユーゴスラビア王国となり、戦後は社会主義国となりましたが、ややこしい民族紛争を繰り返し、ベルリンの壁崩壊後の1990年代には激しい内戦が勃発。1992年にクロアチア共和国は正式に独立が認められたそうです。内戦は1995年まで続き、至る所が爆撃で滅茶苦茶にされてしまいましたが、それがたったの30年前というのですから驚きます。
こちら、有名なアドリア海の真珠、ドブロヴニクです。もちろん世界遺産。
こちらはプリトヴィツェ湖群国立公園で、16の湖と92の滝からなる美しい世界遺産です。
これらの場所も内戦で大変な被害を受けたそうです。
とは言え、現在はすでに修復されており、観光地として世界中からたくさんの人々が集まる人気スポットとなっております。
人種はスラブ民族で、言語はクロアチア語。全く聞きなれない言語でしたが、英語が通じるので問題はありません。
貨幣はユーロ。凄まじいインフレと円安です。
写真のようにお天気に恵まれ、日中は30度近くまで上がりますが、朝晩はかなり涼しくなるので過ごしやすかったです。
9月でこの気候ですから、7~8月はおススメできません。暑すぎて観光どころではないでしょう。
スロヴェニアにあるヨーロッパ最大のポストイナ鍾乳洞の全長27㎞というスケールの洞窟は圧巻でした。
鍾乳石は1㎝伸びるのに100年かかるそうです。1mで1万年!
何万年という地球の営みや時空に畏怖の念を感じるとともに、自然というのは人間社会が太刀打ちできるようなものではなく、そうなるように定められた宇宙のシナリオのようなものがあるのではないかと思いました。
私たち人間は苦しみもがいたり、素晴らしい創造性を発揮して科学を進歩させりしていますが、それもこれも、その宇宙のシナリオの中で決められた出来事に過ぎないのではないかと。
「自分の思うことを信じてやればいいんだよ」という天の声が何度も繰り返し聞こえました。
ヨーロッパ大陸には広大な草原や森が広がり、緑豊かなところが多いのです。
日本では見られないスケールです。
これら自然は人間の愚行を包み込んでくれるように思いました。
星が煌めく夜空を見上げると、北斗七星がはっきりと浮かび上がっています。
東京都心では決して見ることが出来ないので、静かな星空を眺めながら、昔の人は天体の動きからいろいろなことを学び想像していたのだろうなぁ、としみじみ。異端児扱いされながらも地動説を研究していた人々はどんな思いだったのでしょうか。
勝手に自然と対話をしながら、ボーっとする贅沢時間。
旅行したお仲間は60~70代のご夫婦でしたが、皆さま知性も体力もある素敵な方々で、お食事も楽しくご一緒させていただきました。
これぞ夢の休日。
頑張って生きてきて良かった、と思える瞬間です。
一緒に旅をしてくれる夫は有難い存在です。
そして留守番をしてくれる娘と犬とお手伝いさん、クリニックを共に支えてくれるスタッフ、当院に通って下さる患者様など、沢山の人たちのお陰で、夢の休日を過ごせたことに、今まで味わったことがないくらい感謝の気持ちが溢れました。毎日「ありがとう」と言いながら旅をしていました。
私は中学1年生の時から40年以上、いろいろな国を旅していますが、今回の旅は今までと違う何かを感じ取りました。
非日常に身を置いて自然と触れ合うことは、間違いなく私の生きる原動力になります。
またいい旅ができるよう、日常診療を頑張ります