肌ルネプログラムHADARUNE Program

入門編DAY1

化粧品をやめて得られる価値

肌断食の世界へようこそ

こんにちは、美容皮膚科医の山口麻子です。

さて、スキンケアの常識が変わりつつあります。お化粧品頼みのスキンケアから、お肌本来に備わっている「キレイになろうとする力」を引き出すシンプルな“肌断食”へ。
肌断食とは、お化粧品をやめたり減らしたりするスキンケア法のこと。健康や美容に対する意識の高い人たちが実践しており、少しずつ知られるようになりましたね。

そうした肌断食を今まさに始めようとしている皆さん、ようこそ肌断食の世界へ。

皆さんはとても賢明な選択をされました。「お化粧をする」という、今までの常識に疑問を持ち、本質を見極めた結果かと思います。
そうはいっても、まだ「本当にお化粧をやめてもいいの?」と思う人もいるかもしれませんね。ご安心ください、大丈夫です。

とにかくこの肌断食というスキンケアは、医師の視点や、女性という視点から見ても、あらゆる点で素晴らしいものです。たくさんの大きな価値が得られます。この記事で少し整理して述べていきます。

お化粧品でお肌はキレイになりません

まず初めに私が、肌断食が誰にも必要と考える理由は、肌が本来あるべき健康的な美しい状態を取り戻すことができるから。
皆さんのお肌には、みずから「キレイ(健康)になる力」が備わっています。それを引き出す唯一の方法が肌断食です。
お化粧品はお肌への刺激が強すぎるため、お肌を傷めることはあっても、キレイにする効果はほぼありません。

お化粧がお肌にいいような印象があるのは、広告の力が大きいと思います。テレビも雑誌も新聞も、お化粧品会社から広告料をもらっているので、「お化粧品でお肌はキレイにならない」とはいえません。
お化粧品はキレイになるためのものではなく、お酒やタバコと同じで嗜好品であり、使うことでリスクを伴う点を知ってください。

年間で10日分以上もお化粧に時間を割いている

次に、肌断食で得られる価値として大きいのは、何と言っても時間です。ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査 2017」によると、メイクをする女性が1日のはじめのメイクにかける時間は、平均約15分です。

さらに、メイク直し、クレンジング、スキンケアをそれぞれ1日5分として計算すると、合計で1日30分をお化粧に費やしているということになります。

これを毎日続けたら、週7日で3時間30分、年間では180時間以上、日数にして7日以上をお化粧品に費やしているということになります。1日に使う時間は人それぞれですが、いずれにせよかなりの時間をお化粧に時間を割いていることがお分かりいただけるでしょう。

また、お化粧品を買いにお店に行く時間や、店頭でお化粧品の説明を受ける時間、お化粧品選びの情報収集の時間も加えれば、お化粧品にかける時間はさらに長くなります。

続けると100万円以上もかかる

お金についてはどうでしょう。ポーラ文化研究所の「女性の化粧行動・意識に関する実態調査 2017」によると、メイクアップ化粧品の1ヶ月平均投資金額は2,156円、スキンケア化粧品の1ヶ月平均投資金額は3,809円です。この2つを合わせると、1ヶ月で約6000円、年間で約7万2千円かかる計算になります。20年間、この生活を続けると合計約144万円。おそらくもっと使っている人もいるでしょう。

お化粧品で素肌がキレイになることはありません。反対に、これほどの時間とお金をかけたお化粧でお肌の美しさを損ねてしまっているとしたら、それほどまでにムダなことはありません。

肌断食を実践しましょう。浮いた時間やお金は、睡眠と栄養に当てたほうが健康になれます。趣味や仕事に打ち込んだり、大切な人たちと過ごしたりするのに当てれば、人間として外側からも内側からも魅力的になれるのは間違いありません。

とにかくお肌が快適。解放感が大きい

さらに、肌断食を行うと子供の頃に戻ったようなお肌の解放感が得られます。
例えば、初めてのお化粧でファンデーションを塗ったとき、何だか息苦しいとか、ベタベタして不快に感じた経験はありませんか?
その理由は、油分、シリコン、保湿剤などの異物が肌に張り付いているからです。
しかし、お化粧を続けていく中で、「不快感は仕方ない」と諦めてしまう人が大半です。

本来は、不快感がある=お肌がSOSを発しているということ。SOSを無視しつづけると、お肌を確実に傷めて老化を早めます。

肌断食を始めるとこの不快感がなくなるため、誰もが必ず「お肌が気持ちいい!心地いい!」といいます。

以上のように肌断食で得られるのは、お肌の健康美だけではありません。かけがえのない時間やお金、お肌の快適さまでをも手に入れることができるのです。

このように、肌断食を通して人生を豊かにしようとする活動を、私は「素肌ルネサンス(肌ルネ)」と名付けました。
ルネサンスとは、もともと”再生”という意味。皆さんの中では、14世紀にイタリアを中心に起こった芸術の復興運動の印象が強いかもしれませんね。
ルネサンス期によって人間らしい生き方が模索されたように、断食は素肌の健康的な美しさを取り戻すだけでなく、実践した人の考え方をも変えて人生を豊かにする役割があると私は考えています。

あなたの行動が社会をも変えていく

肌断食を始めると、皆さん自身は確実に変わっていきますが、不思議なことに皆さんのまわりの人の意識も変わる場合が見られます。
お化粧ってなんだろう、美しさってなんだろう、さらには、時間を有意義に使うってなんだろう。

皆さんの行動から肌ルネの輪が広がり、それがやがては社会をも変えていくのです。
肌断食には、単なるお肌の健康的な美しさを手に入れるだけにはとどまらない価値があります。
さあ、一緒に肌ルネをはじめませんか?