院長ブログ

髪は女の命

と言いますね。

1昨年から脳出血を繰り返した母が、

「髪の状態がおかしい。パサパサしてどうにもならない

話を聞くと、近所の美容室で、いわゆる「白髪染め」を受けたらしい。ヘアカラーだ。

以前20年近く通っていた美容室では、天然の植物染料を使って染めていた。

若い頃から頭皮の痒みを訴えていた母だったが、この植物染料に変えてから症状が無くなったらしい。

ところが美容室を変えた途端に、髪の調子が悪くなったと言う。

恐るべし白髪染め。

 

いわゆる白髪染めとは、ヘアカラーとヘアマニキュアがある。

全国の美容室で施されている白髪染めは、ほとんどこのどちらかである。

 

●ヘアカラー:永久染毛剤のことで、薬事法上では医薬部外品である。

染毛剤はメラニン色素の脱色色素の生成を化学反応(酸化作用)によって行う。

パラフェニレンジアミンに代表される酸化染毛剤 + 酸化剤(過酸化水素)+ アルカリ(アンモニア)により、脱色しながら酸化染毛剤を髪の内部に浸透させ、酸化剤で酸化重合され発色するという原理。

酸とアルカリを使い、バリア機能であるキューティクルをこじ開け染毛剤を入れていくのだから、キューティクルの内側にあるたんぱく質は流出して、スカスカな髪になってしまう。それを誤魔化すために、シャンプーやトリートメントなどの表面コーティング剤を使うことになる。(顔のスキンケアと同じ!!クレンジングで角質層のたんぱくを破壊し、保湿成分を流出させ、干からびたところに美容液やクリームなどで保湿と称し見せかけの潤いで誤魔化す。)

色素はしっかりと入るため、2~3か月ほど長持ちするが、頭皮や毛髪に対するダメージが強い。

酸化染毛剤であるパラフェニレンジアミンは、刺激性やアレルギー性の皮膚炎を起こすことがある。ある調査によると、アレルギー反応を起こす確率は7%という。事前にパッチテストが必要。

染まる時間の早さと、染まる色のバリエーションの多さがメリット。

 

●ヘアマニキュア:半永久染毛料のことで、薬事法では化粧品である。

染毛に際して、毛髪に対する化学的作用を伴わなず、色素の化学的生成反応も起こさない。

酸性側でプラスの電荷をもつ毛髪ケラチンタンパク質のアミノ基と、マイナスの電荷をもつスルホン酸基を有した酸性染料とのイオン結合により着色すると考えられる。

簡単に言うと、髪の毛の表面に色素が染み込んでいるようなイメージ。

効果の持続は2~3週間と短いが、頭皮や毛髪へのダメージはヘアカラーと比べると弱い。

しかし、洗髪の度に色素が落ちていき、そのたびにキューティクルが剥がれて髪が傷むそうだ。

 

ヘアカラーでもヘアマニキュアでも頭皮や毛髪にダメージを及ぼすことには変わりない。

では、白髪になってしまった人が安心して受けられる染毛方法はないのだろうか?

健康のことを考えると、ヘアカラーなんてしないに越したことはない。

だからといって、急にグレーヘア―に変身できる人は本当に少ないだろう。

白髪にするとぐっと老けて見えるので、その自分の姿を受け入れるまでには時間がかかるそうだ。

母も数年前、グレーヘアにチャレンジしたものの、気分が落ち込むという理由で断念していた。

グレーヘアが似合う素敵な女性は、はっきり言って少ないと思う。

草笛光子さんや近藤サトさん、島田順子さんなどある意味その道を極めていらっしゃる方には雰囲気があるし、全体のバランスの良さがグレーヘアを可能にしていると思う。そして、きれいな肌でいることが欠かせない。当院に通うお客様の中でも、本当にグレーヘアが似合っている女性は数人いるが、かなりハイレベルな領域だと思う。

一般の女性でも、安心して白髪染めができる方法がないのだろか。

湯シャンを極めた私がやることは、本当に頭皮や毛髪にとって健康的な白髪染めの発見である。

この話は続きます。