院長ブログ

時代は変わる

本日、16年間お世話になった北里研究所病院での最後の外来診療を終えました。

思いがけずスタッフの皆さんから寄せ書きと花束を頂き、患者さまからも温かいお言葉を頂戴し、良い最終日となりました。

思い返せば1999年の春、北里研究所病院が新しい建物になって新規オープンした年、美容医学センターが出来たことを日経新聞で知りました。すぐに電話をして、見学の申し込みをしました。そして当時のセンター長である宇津木龍一先生に「働かせてください!」と直訴して、一度は断られながらもようやく掴み取った美容医療への道。そのスタートが北里研究所病院でした。私にとっては今でも『聖地』です。

時は2000年、美容医療元年とでも申しましょうか。当時の美容医学センターの人気ぶりは飛ぶ鳥を落とす勢いでした。まだ20代だった私には眩し過ぎるくらいの素敵なご婦人たちが通っていました。日々の診療を通して、彼女たちから沢山のことを学びました。

意気揚々と研修をスタートしたものの、すぐに結婚・妊娠をして子育てと仕事の両立の難しさに直面しました。それでも、センター長をはじめスタッフの皆さまの温かいご理解のもの、何とか数年常勤として働き続けることができました。私としても美容医療駆け出しの頃でしたから、甘ったれたことも言えません。夫の留学で別居しながら仕事を続けた時もありました。そのお陰で、いろんなことを同時進行させる能力が高まったと思います。言い換えれば適当にやる、諦める能力かもしれません。

2006年に自分のクリニックを開院してからも、気が付けば10年間、非常勤で外来を続けてきました。

今夜、娘と夕食をしている時、「お母さん、お医者さんっていつになったら一人前になれるの?」と聞かれ、「そうだね、お母さんはようやく今頃一人前になったと思うようになったわ。」と、返事をしていました。

そうなのです、本当につい最近、昨年頃から、ようやく自分のやっている医療に少しは自信が持てるようになったばかりでした。一人で独立して診療していますと、全責任は自分にありますから、患者さんにとって不利益なことはしてはならないという気持ちがいつも心にあります。そして美容医療はスタンダードがあるようで無いような曖昧なところもありますから、学会等で他の医師の意見も聞きながら、自分のやっている医療はどうなんだろうか?と考えないことはありませんでした。

しかし、患者さんがついてきて下さること、きれいになって感謝されること、ご家族やお知り合いをご紹介下さることの積み重ねで、自分の施している医療に少しですが自信が持てるようになりました。

ですからこのタイミングで、本当にお世話になった北里研究所病院とも「さようなら」なのだと思います。

 

他にもこの春は私にとって節目となることがたくさんあります。

ご存じだと思いますが、昨年暮れからスタッフが大幅にチェンジしました。

プライベートでは、下の子供が中学生になります。子育ても一段落です。

ここには書けませんが、まだまだいろんな変化がありました。

これらを踏まえて、4月から毎年恒例の『新緑祭り』を企画していますので、どうぞ楽しみにしていて下さいね。