院長ブログ

ただほど怖いものはない

最近、『祖父母が子や孫に非課税で贈与できる』、という話題が良く出てくる。

60代以上の貯蓄金額が高いので、それを若い人に回して消費してもらい、経済を活性化させようというつもりらしい。

私は、とんでもない政策だと思っている。

例え1000万円貰ったとしても、所詮人のお金。あぶく銭である。

子供がそれを当てにして、努力することの大切さを見失うことの方が、国家としては大損失である。

分不相応な消費をしたり、浪費癖で借金することになるかもしれない。

生きていくためには、自分の夢を叶えるには、どんな努力をして、どのようにお金を貯めて使うか、というような総合的は判断が重要である。

辛い時期もあるし、節約してお金を貯めなければならないこともある。

そういう苦労を経験して、人は学び成長するものだと思う。

だから人からただで金銭を受け取るのは、その成長の妨げになるのだ。

 

教育費に関しては、学生の時期はまだ稼げないから、贈与なり奨学金を利用するのはありだと思う。

若い時に見聞を広め、経験値を高めることには大賛成である。

しかし、それも返済するのが当たり前という前提があったほうが良い。

他人の家庭事情まで踏み込むな!と言われそうだが、真剣に教育を考えないと、今の日本は危ないと思う。

2015年の一般会計総額が96兆円超、そのうち税収が54兆。

国と地方の借金残高が1035兆円である。

我が国は、人から借りた(貰った)お金で成り立っている。

分不相応な贅沢をしているのである。

 

終戦後70年を迎え、明治維新から昭和の戦後までとだいたい同じ時間が経過している。

そろそろ大転換の時期を迎えるだろう。

だからこそ、明治維新を生きた武士たちの志と行動力を今こそ振り返る必要があるのではないだろうか。

それを狙ってか、今年の大河ドラマは吉田松陰の妹である。

吉田松陰は下級武士の生まれであったが、子供の頃は父親の農作業を手伝いながら、四書五経を学んでいたという。

そして11歳の時には、藩主に講義をしたそうな!

やはり家庭教育。

我が家も、もっともっと社会問題を取り上げてディスカッションしていくつもりだ。

家庭のみならず、クリニックでもスタッフたちと、知的な話題で盛り上がりたいと思う。

「きれい~、かわいい~、美味しい~(^^♪」だけではダメ。

一人ひとりが日本を大切に思い、真剣に賢く生きていきたいと切に願う。